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2022 年度 実施状況報告書

遷延性意識障害患者への看護介入内容と効果の測定から客観的・定量的評価指標の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K11202
研究機関桐生大学

研究代表者

佐藤 光栄  桐生大学, 医療保健学部, 教授 (70461837)

研究分担者 甲州 優  帝京大学, 医療技術学部, 講師 (00781254)
杉本 昌弘  東京医科大学, 医学部, 教授 (30458963)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード高齢者 / アロマオイル / リラックス / 唾液IgA / 脳活性化
研究実績の概要

2022年度も新型コロナ感染予防対策として、施設では面会制限が続いており、遷延性意識障害者を対象とすることはできなかった。しかし、テーマである看護の評価指標作成の過程として、成人期、老年期にある元気な方に実験研究を行うことができた。また、1施設のみであったが特別養護老人ホームにおいて実施することができた。
成人期の被験者11名(男性2名、女性9名)老年期で在宅にて元気に生活している方々9名(男性6名、女性3名)、特別養護老人ホームに入居している方々8名(男性1名、女性7名)を対象として実施することができた。いずれも実施方法は、片方の上肢を用いて5分間のトリートメントを①キャリアオイルのみの場合、②アロマオイルの芳香浴5分間行った場合、③1%アロマオイルを用いた場合のそれぞれの前後で、脳波、唾液IgA、酸素飽和度、心拍を測定した。脳波はフューテック社の簡易脳波計を使用し、唾液IgAは、英国 SOMA社により開発されたCubeReaderにて測定した。また、その時々の感想も記述した。施術者は手法が変わらないように、同じ者が担当した。
結果は、感想では「ほぐされた」「気持ちよかった」と述べていた。芳香浴では「気持ちが落ち着いた」「リラックスできた」と述べていた。1%のアロマオイルでは「香りも含めてリラックスできた」「片腕だけなのに体が温かくなった」と述べていた。だえきIgA結果でウィルコクソン符号付順位和検定(5%水準)を行ったところ、オイルトリートメントも、芳香浴も、アロマオイルトリートメントも有意差は認められず、酸素飽和度は、オイルトリートメントではp=0.015で、有意差が見られたが、他では有意差は見られなかった。心拍数は、いずれも有意差は見られなかった。感想とは違う反応を示していることが分かった。
脳波結果については、解析がまだできておらず令和5年度に実施する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本来は遷延性意識障害状況にある方に対して、音楽療法やアロマトリートメントを実施しその効果を客観的にとらえることが目的となっていたが、2022年度は、元気な高齢者を対象とせざるを得なかった。施設や病院は面会を制限しているということも有り、実施が困難であった。

今後の研究の推進方策

脳波について、2分間測定の平均値を比較するためにα波、β波、θ波、δ波を抽出し、リラックスしているか、もしく脳の活性化が図れているかについて検定し、アロマトリートメントの効果に関する指標となるか検討することを2023年度の課題とする。
さらに、2021年度行った音楽療法の結果とも合わせて、相関について検討し、トータル的にリラックス効果が得られているか考察することで、客観的・定量的評価指標の確立とできるかを2023年度の課題としたい。
これまでの新型コロナ感染拡大の経過から、虚弱な状態にある遷延性意識障害者への実施ができていないことが課題であるが、2023年も5類になったとはいえまだ感染者は発生している為、被験者となる方々が入院されている施設の許可が下りるか不明であり、施設の許可が得られない可能性もある。許可があれば、数事例でも実施し結果をこれまでの結果と比較し、公表する。今年度は唾液IgA、脳波の成人および高齢者の結果から相関など統計的検定からまとめることを行いたいと考える。
また、学会等への公表ができていないため、令和5年度は、脳波データの分析及び公表に努力する。

次年度使用額が生じた理由

令和5年度は脳波の解析分析、研究成果の公表、学会発表のための交通費、論文投稿時の英文校正、および投稿料として使用予定である。
また、遷延性遷延性意識障害者への実施計画のために使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2023 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] アロマオイルトリートメントの効果測定2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤光栄
    • 学会等名
      第2回日本腎不全スキンケア研究会
  • [学会発表] コロナ禍のデイサービス参加者の音楽療法効果を唾液により評価2022

    • 著者名/発表者名
      佐藤光栄
    • 学会等名
      第1回日本唾液ケア研究会

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公開日: 2023-12-25  

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