研究課題/領域番号 |
19K11203
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研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
佐藤 睦子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (40737293)
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研究分担者 |
上野 昌江 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70264827)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 子ども虐待予防 / 保健師活動 / 支援技術 / 母子保健 / 人材育成 / 親支援 / 援助関係形成 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保健師が虐待予防活動の実践に必要な専門的支援技術、特に援助関係づくりに着目した研修プログラム(以下、プログラム)を開発し、その評価検証を行うことである。令和元年度は、1)プログラム開発2)プログラムの評価検証(介入研究)を行った。1)プログラム開発 熟練保健師の支援技術に関する予備研究や文献検討によって、Banduraの社会的認知理論を理論的根拠として、「事前学習」「前期集合研修」「自組織での実践」「後期集合研修」からなる4部構成のプログラム案を作成した。その後、プログラム内容の妥当検証のために、熟練保健師等5人に半構成面接を実施し、プログラム案に関する具体的提示方法や強化内容等の示唆を得た。結果、事前学習を含めた4日制、6カ月間のプログラムが完成した。2)プログラムの評価検証(介入研究)介入研究の目的は、完成したプログラムを実施し、プログラム前後における保健師の行動能力や結果期待、自己効力感、援助関係づくりに対する困難感の介入前後の変化、および対照群との比較からそのプログラムの効果を検証することである。対象は、母子保健経験2年以上、経験年数10年未満の自治体保健師40人とした。方法は、介入群(20名)と対照群(20名)に経験年数、所属自治体の偏りや本人の事情等をマッチング項目とした割付を行い、介入群にプログラム(事前学習を含み3回)を実施し、終了後に対照群にも同様のプログラムを実施した。評価方法として、質問紙による効果測定調査を介入の前後で2回、プログラム内容の評価調査を2回実施した。なお、対照群の最終の介入については、新型コロナウィルスの流行に伴い、集合研修をやむなく中止にし、調査票の回収のみを行った。研究結果については、次年度分析の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度実施計画である1)プログラム開発については、当初計画どおりプログラムの作成、妥当性の検証、プログラムの一部修正を経てプログラムの完成に至ることができた。 2)の介入研究については、プログラムの実施企画、募集が順調に進行し、介入群の介入だけでなく、次年度に予定していた対照群の介入を今年度実施することができた。このように、介入研究が前倒で実施できたため、よりプログラムの詳細な分析及び検討が可能となり、研究目的である「母親との援助関係づくりにむけた専門的技術」を獲得でき、自信をもって支援が可能となるためのプログラムの効果検証、結果の公表が、さらに加速することが期待できる。以上のことから、進捗状況は、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況と理由で述べた通り、研究の進捗はおおむね順調に実施できている。そのため、本年度中に分析を終了し、一定の成果を見出すとともに、プログラム内容のブラッシュアップを行い、完成させる。本研究の成果については、学会等で結果を公表できるように取りまとめるとともに、プログラムの普及を目指し、自治体研修や自主研究会等での実施について模索する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度実施した介入研究について、プログラムの実施企画、募集が順調に進行し、介入群の介入だけでなく、次年度に予定していた対照群の介入を今年度中に実施することができた。そのため、当初予算に不足が生じ、次年度予定額を前倒し請求させていただいた経過がある。そのため、次年度使用額が生じている次第である。
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