研究課題/領域番号 |
19K11203
|
研究機関 | 淑徳大学 |
研究代表者 |
佐藤 睦子 淑徳大学, 看護栄養学部, 准教授 (40737293)
|
研究分担者 |
上野 昌江 関西医科大学, 看護学部, 教授 (70264827)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 子ども虐待予防 / 保健師活動 / 支援技術 / プログラム開発 / 人材育成 / 親支援 / 保健師 / 介入研究 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、保健師が虐待予防活動の実践に必要な専門的支援技術、特に援助関係づくりに着目した研修プログラム(以下、プログラム)を開発し、その評価検証を行うことである。令和元年度は、1)プログラム開発2)プログラムの評価検証(介入研究)を行い、令和2年度は、結果として得られたデータの集計・分析を行った。 研究協力者40人のうち、経験年数、自治体の偏りや本人の希望等を考慮したマッチングをおこない、介入群20人、対象群20人と割付を行い、介入群13人(65%)、対象群は18人(90%)の計31人(77.5%)を分析対象とした。対象者の背景および使用尺度点数に有意差はなく、均質性が保たれていた。平均年齢は、介入群が30.7(±5.71)歳、対象群が31.1(±7.1)歳、自治体の経験年数は、介入群が4.2(±2.86)年、対象群が5.7年(±5.13)であった。看護プログラムの有用性を、①支援に必要な行動能力の変化②自己効力感③援助関係づくりに関する困難感、と設定した。介入群の介入の前後の差について、ウィルコクソン符号付き順位和検定(有意水準P<0.05)を実施し、群間比較を行った。結果、①支援に必要な行動能力の変化は、「問題対処を補足、強化する行動」「関係性を維持、強化させる行動」が、②自己効力感は、「信頼関係を大切にする」「継続的にかかわる」「育児を肯定できるようにかかわる」「多様な価値観を把握する」「保護者をフォローする」③援助関係づくりに関する困難感は、「信頼関係の程度」、「共感的な感情」において、有意差がみられた。今後、介入群と対象群の差分の検定、前後の差がみられた項目の要因や質的評価の分析も含めて、総合的に分析を進め、プログラムの評価を行っていく予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度に研修プログラムを作成し、介入研究として、研修プログラムを前倒しで実施することができた。新型コロナウィルス感染症の関係で、対象群の後期介入が実施できなかったものの、分析に必要なデータの収集ができている。 2年目であった昨年度は、新型コロナウィルス感染症の関係で、分析計画が若干遅れてはいるものの、収集したデータの分析は順調に経過しているため。
|
今後の研究の推進方策 |
現在までの進捗状況と理由で述べた通り、研究の進捗はおおむね順調に実施できている。そのため、本年度中に分析を終了し、一定の成果を見出す。 本研究の成果については、学会等で結果を公表できるように取りまとめるとともに、プログラムの普及を目指し、自治体研修や自主研究会等での実施について模索する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症の流行に伴う業務増加によって、昨年度データ解析を進めて学会発表や情報収集等を実施する予定であったが、それが叶わなかったため。
|