研究実績の概要 |
2020年度はコロナ禍のため予定どおり実施できず、2019年度収集したデータを再度分析した。なお、表情筋強度は、AU9,10,12,14,15,17,18,20,23,24,25,26が摂食・嚥下に関与する表情筋、AU1,2,4,5,6,7,27,43はその他の表情筋である。嚥下機能は各群の前後比較、介入前後の差の2群比較は有意差なく、気分は【語り群】介入後、活性度、安定度、快適度が有意に上昇し、【朗読群】介入後変化がなかった。【語り群】の嚥下機能と各表情筋スコアの関連では、RSSTは摂食・嚥下関与表情筋群のAU24と正の相関、『パ』はその他の表情筋群AU2および摂食・嚥下関与表情筋群のAU18 と負の相関、『カ』は摂食・嚥下関与表情筋群のAU10とAU24が正の相関、AU15が負の相関を示した。一方【朗読群】の嚥下機能と各表情筋スコアの関連では、RSSTは摂食・嚥下関与表情筋群のAU10,15,24,26と負の相関、『パ』はその他の表情筋群のAU4,5と負の相関、摂食・嚥下関与表情筋群のAU25と正の相関、『タ』は摂食・嚥下関与表情筋群のAU18、その他の表情筋群のAU43と正の相関、『カ』は摂食・嚥下関与表情筋群のAU10,15と負の相関を示した。【語り】はRSSTの3回目積算時間が摂食・嚥下関与表情筋と正の相関をするが、【朗読】はRSST3回目積算時間が複数の摂食・嚥下関与表情筋と負の相関があることから、朗読方法の工夫により摂食・嚥下機能に影響を与える可能性がある。 今後【語り群】は気分向上効果あることより、昔語りの言葉抽出、内容分析により昔語りのエッセンスを明らかにし、【朗読群】は摂食・嚥下関与表情筋とRSSTが関連することから、摂食・嚥下関与表情筋を活用した朗読方法を工夫し、ケア提供者に依存しない摂食・嚥下機能向上「笑活朗読モデル」を考案する。
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