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2019 年度 実施状況報告書

スマートフォンのアプリによる病的賭博者の早期発見と新たな治療法の提案

研究課題

研究課題/領域番号 19K11206
研究機関徳島大学

研究代表者

横谷 謙次  徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (40611611)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワードSBIRT / ギャンブルへの渇望 / 窃盗
研究実績の概要

本年度は、問題賭博と犯罪との関連を示し、かつ、ギャンブルへの渇望が窃盗犯罪に結びつくことを検証した。日本の刑務所の男性受刑者332名を対象に問題賭博歴及びギャンブルへの渇望を聞き取り、彼らの犯罪歴との照合を行った。その結果、38.55%は問題賭博歴を示しており、一般人口(9.04%)と比べて、問題賭博者の割合が4倍以上高かった。また、ギャンブルへの渇望と個別の犯罪との関連を確認したところ、ギャンブルへの渇望が高いほど、窃盗犯罪を行いやすいことが確認された。これらの結果は、ギャンブルと犯罪との関連を示したことに価値があり、受刑者の問題賭博者への治療が窃盗犯罪などを未然に防ぐ、という意義を示したことになる。パチンコなどの行為はそれ自体犯罪行為ではないが、それへの過度な依存は、犯罪行為の温床となりやすく、問題賭博者への治療を地域社会でも行っていく必要があるだろう。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

刑務所内の調査は予定通り行え、論文受理2本(英文1、邦文1)、学会口頭発表3本(国際2、国内1)と順調に成果を出している。これらの結果から、研究は順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

現在、問題賭博者の治療中の言語を解析している。治療中の言語に基づいて問題賭博者の再発を示し得ることを目指している。また、問題賭博者同士の社会ネットワークについても分析する予定で、どういったネットワークが問題賭博者の再発を予測するのかを検証している。コロナの影響で、国際学会への発表は今年度難しくなったため、その部分は論文投稿などで補おうと考えている。

次年度使用額が生じた理由

2020年の2月3月に予定していた学会発表がコロナウィルスの影響で全てキャンセルとなり、出張旅費が全て使用されなかったため。しばらくは出張できそうにないため、2020年度はGPUなどのパソコン備品を購入し、開発スピードを上げる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] Craving for Gambling Predicts Income-Generating Offences Pathways model of a Japanese prison population-2020

    • 著者名/発表者名
      Yokotani, K., Tamura, K., Kaneko, Y., Kamimura, E.
    • 雑誌名

      Journal of Gambling Studies

      巻: 36(2) ページ: 459-476

    • DOI

      10.1007/s10899-019-09887-4.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 覚醒剤使用障害を伴う暴力団員へのソリューション・フォーカスト・アプローチ : ソクラテス的質問を追加した治療プロトコル2019

    • 著者名/発表者名
      横谷謙次・田村勝弘
    • 雑誌名

      アディクションと家族 : 日本嗜癖行動学会誌

      巻: 34 ページ: 154-163

  • [学会発表] Criminal population with behavioral addictions--prevalence, law, and treatment in Japan.2019

    • 著者名/発表者名
      Yokotani, K(Chair)., Sugawara.N, Tamura, K., and Wada, M.
    • 学会等名
      The 6th International Conference on Behavioral Addictions
    • 国際学会
  • [学会発表] Gambling Symptoms One Week Before Being Arrested Predict Income-Generating Offences: Retrospective Design in a Japanese Prison.2019

    • 著者名/発表者名
      Yokotani, K., Tamura K., Kaneko, Y., Kamimura, E
    • 学会等名
      The XXXVIth International Congress on Law and Mental Health
    • 国際学会
  • [学会発表] ギャンブルへの渇望が財産目的の犯罪を予測する2019

    • 著者名/発表者名
      横谷謙次 田村勝弘 金子祐亮 神村栄一
    • 学会等名
      日本心理学会83回大会

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公開日: 2021-01-27  

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