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2019 年度 実施状況報告書

軽度要介護者の起立動作と看護支援

研究課題

研究課題/領域番号 19K11207
研究機関京都橘大学

研究代表者

征矢野 あや子  京都橘大学, 看護学部, 教授 (20281256)

研究分担者 安川 揚子  佐久大学, 看護学部, 准教授 (40315685)
内山 明子  佐久大学, 看護学部, 講師 (00736986)
中嶋 智子  佐久大学, 看護学部, 准教授 (30833008)
小野 美香子  佐久大学, 看護学部, 助教 (90747099)
朴 相俊  佐久大学, 看護学部, 准教授 (30730642)
水野 照美  佐久大学, 看護学部, 教授 (90261932)
長尾 匡子  京都橘大学, 看護学部, 専任講師 (70434925)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード虚弱高齢者 / 起立 / 転倒 / 転落 / 足
研究実績の概要

【目的】介護老人保健施設利用者の、椅子からの起立能力との関連要因を探索した。
【方法】自立可能で研究に同意が得られたA老健の利用者を対象とした。足の健康に関する目視と聴取による情報、運動機能分析装置(TANITA社,zaTitz BM-220)を用いた起立動作能力の測定、生活様式に関する質問紙調査、性・年齢、介護度、ADLなどを聴取した。起立動作能力の指標は、①パワーF/w、②スピードRFD/w、③安定時間(秒)を用いた。所属機関で倫理審査を受け研究を実施した。
【結果】対象者は男性10名、女性20名、年齢は平均〔SD〕88.2〔6.0〕歳、要支援2が5名、要介護1が12名、要介護2が5名、要介護3が6名、要介護5が2名であった。バーセルインデックスは84.7〔10.9〕点で、「軽度の部分介助あるいは監視を要する」が4名(13.3%)であった。起立時に24名が手すり、杖、歩行器、シルバーカーを使用していた。足の健康は、足の冷感(12名40.0%)、膝関節の痛み(8名26.7%)などがあった。起立動作能力の測定結果は、パワーが1.07〔0.09〕F/W、スピードが4.38〔1.59〕RFD/w、③安定時間が0.96〔0.66〕秒、④左荷重割合51.50〔5.76〕%であった。起立動作能力のパワーとの相関は生涯高齢者の日常生活自立度がr=-0.414、スピードとの相関は高血圧症ありがr=0.399、膝の痛み r=0.466、バランススコアとの相関は年齢r=-0.405、性別(女性) r=0.398、介護レベル0.498、起立補助具・歩行補助具の使用r=-0.470であった。目視による印象では、椅子の座面高や説明方法等によって起立動作の滑らかさが異なっていた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度の研究成果から、起立動作と主観的な足のトラブルとは有意な関係が見いだされなかった。これは本当に関連がなかった可能性と測定方法の信頼性の課題によるβエラーの可能性が考えられた。測定方法の精度を高める方法を検討したうえで、2020年度以降の研究を計画し取り組む必要がある。その一方で、椅子の高さや説明方法のちょっとした違いで測定結果が左右されるという懸念は、それらを整えることで立位動作をスムーズにすることができるという可能性でもある。2019年の測定方法をふりかえり、立位支援の方法の探索に活かしたい。
2019年度末に予定していた研究活動が、COVID-19の出張制限により停滞した。

今後の研究の推進方策

COVID-19により、当面は虚弱高齢者にご協力いただくのは困難と予想している。2020年度は健康な中高年者を被検者として、同一被検者に各種の座位条件、立位補助具、声掛け方法等によって立位動作の変化を検討することとする。しかし虚弱高齢者と健康な高齢者は起立パターンが異なるため、結果の解釈には注意を要する。
新たな研究の切り口として、健康イベントに参加する地域の中高年者を対象に、生活習慣や職業(農業)固有の動作と起立能力との関連に関する観察研究を企画している。

次年度使用額が生じた理由

2019年度末に京都と長野県のメンバーが集まる研究ミーティングや予備実験を計画していたが、COVID-19により移動や実験をとりやめたため。

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公開日: 2021-01-27  

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