研究課題/領域番号 |
19K11213
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研究機関 | 熊本保健科学大学 |
研究代表者 |
甲斐村 美智子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 講師 (40530093)
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研究分担者 |
福本 久美子 九州看護福祉大学, 看護福祉学部, 教授 (40465787)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 幼児の睡眠習慣 / ソーシャル・キャピタル |
研究実績の概要 |
1)研究目的:郡部と都市部における幼児の睡眠習慣に影響を及ぼす家庭・社会経済的環境、ソーシャル・キャピタル(以下、SC)などの環境要因を明らかにし、地域特性に応じた健康的な睡眠習慣を確立するための支援について提言することである。 2)研究概要:研究全体は、第1次調査(質的調査)と第2次調査(量的調査)から設定されている。本年度はまず、幼児の睡眠習慣に影響する母親の養育行動、および養育行動に関連する要因について明らかにすることを目的に、幼児をもつ母親を対象に実施した第1次調査の分析を行った。その結果、母親は幼児の睡眠に対して【入眠儀式】【生活リズムへの配慮】【寝室環境の工夫】を行っていた。幼児の早寝を促進する要因は、【日中の刺激】【睡眠環境】【午睡や起床時刻】【父親の帰宅時刻】に関する知識、【発達・認知機能・精神面へ影響】【1日の原動力】【心身の成長】【生活習慣の基礎】という睡眠への価値観、【指導的】な養育態度、睡眠に関する【身近な人からの支持】【情報探索】【体験的理解】、【子育て支援事業】【保育施設】【保健師などの専門職】といった資源であった。一方、幼児の早寝を阻害する要因は、【許容的】な養育態度であった。これらのことから、幼児の睡眠に関する知識や価値観、資源の提供に加え、母親が【指導的】な養育態度を獲得できるようなアプローチにより、幼児の早寝が促進されることが示唆された.次に、第1次調査の結果を基に、第2次調査の項目を検討した。その結果、属性、SC、ソーシャル・サポート、睡眠習慣、養育態度などを予定している。 3)今後の方針:次年度は第2次調査を予定しているが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による危機的状況下にあり、調査方法や時期等に関して再検討している。社会状況を検討しつつ、今後の調査研究を推進していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目は、第1次調査の結果から幼児の睡眠習慣に影響する要因等について検討するとともに、第2次調査である質問票を作成することを計画していた。したがって、研究はおおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目は、第2次調査を計画している。第1次調査と第2次調査を通して、①どのような環境要因が幼児の睡眠習慣に影響を及ぼしているのか、②幼児の睡眠習慣に関する地域による違いは何か、について明確化し、幼児の健康的な睡眠習慣の形成における具体的な支援方法について探求していきたい。その上で、幼児の健康的な睡眠習慣の形成における支援のあり方について提言していくつもりである。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由: COVID-19 の拡大により、①予定していた学会が全てWeb開催となったこと、研修会が開催されなかったことなどにより、旅費・研修会参加費が消化できなかった。②第1次調査の追加調査を検討していたが実施できず、謝金・旅費の消化ができなかった。③予定していたアルバイトの雇用ができず、人件費が消化できなかった。また、分析ソフトを計上していたが、使用方法が難しく購入しなかったこと、第2次調査の調査表および封筒の印刷費を計上していたが、今年度は調査項目の検討までであったことなどから、物品費およびその他の費用が消化できなかった。 使用計画:①Webによる会議や報告会などがスムーズに開催できるようにパソコン周辺機器の整備、②第2次調査票・封筒の印刷・回収費、および協力に対する謝礼、③調査結果に関する検討会の開催費用、④学会や研修会への参加費用
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