研究課題/領域番号 |
19K11214
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
森 真喜子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (80386789)
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研究分担者 |
安保 寛明 山形県立保健医療大学, 保健医療学部, 教授 (00347189)
森田 牧子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (70582998)
嶋津 多恵子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 教授 (80184521)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 精神科訪問看護 / 精神科看護師 / 地域移行 / 地域精神保健福祉 |
研究実績の概要 |
研究初年度にあたる今年度は、研究テーマである「精神科訪問看護」や「看護職の配置転換・転属」に関する文献や先行研究と併せて、研究テーマに深い関連のある「精神科デイケア・精神科ナイトケア」や「精神科ソーシャルワーク」等の関連文献や先行研究を収集し、その内容を分析した。 また、在宅精神障害者を訪問対象とする訪問看護ステーション及び病院・クリニックの訪問看護部門を研究者が訪問し、各施設の担当者に本研究の主旨や目的、および倫理的配慮等について説明し、了解を得るとともに、今後の調査の進め方について相談し、調査協力の了解を得た。その後、前出の各施設の担当者より研究者が紹介を受けた研究参加候補者と面談し、研究者が文書と口頭により本研究の主旨を説明した上で、同意が得られた者を研究参加者とした。 精神科病棟での勤務経験を経て精神科訪問看護部門に配置転換した後、現在に至るまでの経験について、インタビューガイド(転属の経緯、精神科病棟看護との共通点・相違点、精神科訪問看護でやりがいを感じた体験とその背景、精神科訪問看護で困難を感じた体験とそれへの対処等)に基づきながら、1回60分程度の半構成的面接法によるインタビュー調査をこれまでに研究参加者20名を対象に実施した。インタビュー調査の録音データから作成した逐語録をストラウス・コービン版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法により分析中である。なお、質的データ分析の精度を高めるため、グラウンデッド・セオリー・アプローチによる分析結果を研究者間で共有する機会を設定した。 今後は、グラウンデッド・セオリー・アプローチの理論的サンプリングの考え方に基づいて本調査への協力を依頼し、同意が得られた研究参加者を対象に、インタビューを追加実施していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度にあたる今年度は、研究テーマである「精神科訪問看護」や「看護職の配置転換・転属」に関する文献や先行研究と併せて、研究テーマに深い関連のある「精神科デイケア・精神科ナイトケア」や「精神科ソーシャルワーク」等の関連文献や先行研究を収集し、その内容を分析した。 また、研究者が文書と口頭により本研究の主旨を説明した上で、同意が得られた20名を研究参加者とし、精神科病棟での勤務経験を経て精神科訪問看護部門に配置転換した後、現在に至るまでの経験について聴取するインタビュー調査を研究参加者20名を対象に実施した。インタビューの録音データから作成した逐語録をストラウス・コービン版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法により分析中である。 今後は、グラウンデッド・セオリー・アプローチの理論的サンプリングの考え方に基づきながら調査協力の依頼を継続し、同意が得られた研究参加者を対象に、インタビューを追加実施すると同時に、分析を進めていく予定である。
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今後の研究の推進方策 |
1.データ収集 在宅精神障害者を訪問対象とする訪問看護ステーション及び病院・クリニックの訪問看護部門の管理者に、引き続き精神科病棟での勤務経験をもつ看護師の紹介を依頼し、紹介を受けた研究参加候補者に研究者が文書と口頭により本研究の主旨を説明し、同意が得られた者を研究参加者として、デモグラフィック・データの収集とインタビューガイド(転属の経緯、精神科病棟看護との共通点・相違点、精神科訪問看護でやりがいを感じた体験とその背景、精神科訪問看護で困難を感じた体験とそれへの対処等)に基づく1回60分程度の半構成的面接法によるインタビュー調査を実施する。
2.データ分析 録音データから作成した逐語録をストラウス・コービン版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法により分析し、精神科病棟での勤務経験を経て精神科訪問看護師となった看護職の病棟から地域(精神科訪問看護)への移行のプロセスを明らかにする。分析の過程では、随時質的研究を専門とする研究者のスーパービジョンを受け、分析の信用性、移転性、信憑性、確証性を確保する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) データ収集のための調査は予定通りの時期に開始されたものの、予定していた症例数にはまだ到達していないために、調査の経費として予算化している旅費・謝礼・印刷費等の支出が一部に限られていることが理由として挙げられる。 (使用計画) 来年度は本研究課題の2年目にあたり、上記の理由の項にも記載した通り、データ収集のための調査を継続的に実施する予定である。その必要経費として、旅費・謝礼・印刷費等の支出を予定している。また、本研究課題に関連する研究成果を発表するための国内外で開催される学術集会参加に伴う旅費や参加費の支出や、専門学会の学会誌への投稿のための支出を予定している。
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