研究課題/領域番号 |
19K11219
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
下吹越 直子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (50805108)
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研究分担者 |
八代 利香 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (50305851)
飯塚 真樹 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (10721954) [辞退]
安田 真美 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (50336715) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 訪問看護 / ケアマネジャー / アセスメント / ケアマネジメント / 在宅療養者 |
研究実績の概要 |
本研究は地域生活する療養者に対し、適時な訪問看護導入を目指すため、ケアマネジャー(以下CM)が訪問看護導入する判断のアセスメント指標を開発することを目的としている。 本年度は、訪問看護導入を判断するアセスメントの構成概念を明らかにしたCMへのアンケート調査データを用いて、信頼性妥当性を確認した96項目についてCMの経験年数による訪問看護導入する判断のアセスメントの傾向や相違を解析した。 CMの経験年数10年未満(n=133)、10年以上(n=67)であった。訪問看護導入を判断する構成概念別では「利用者の医療的処置・管理と療養の時期」では有意差が認められなかった。「利用者の生活状況と必要な日常生活の支援」では<ひとりでの入浴が不可能>(p=0.020)では10年以上のCMが多く訪問看護導入を判断していた。「利用者の心身状態の悪化予防と備え」では<嚥下状態が悪化してきている>(p=0.035)が、10年以上のCMが多く訪問看護導入を判断していた。「利用者への医療面の支援の強化」では<医療知識が不足していることにより利用者の支援に対する不安>(p=0.007)、<医療知識がないとみられることへの不安>(p=0.029)<訪問時に日頃の心身状態と違う利用者に不安>(p=0.035)について10年未満のCMが訪問看護導入を判断していたことが明らかとなり、これらの研究成果を学会で報告した。 今後は、96項目の精選と検討を重ねるためにCMの経験年数と職種に関連した訪問看護導入する判断の傾向を精査し、全国調査へ向け準備を進めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在、明らかとなっている訪問看護導入を判断するアセスメントの項目について信頼性妥当性を確認できている。しかし、96アセスメント項目から指標として実用化するには現実的ではない。CMの経験年数・職種の判断の傾向、構成概念間の影響等を様々な視点で解析する必要があり、項目の検討に時間を要しているため当初の計画より遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年3月までにCMの経験年数・職種による訪問看護導入する判断の傾向、構成概念間の影響等について視点を変えて解析を進め、アセスメント項目の精選・検討を行う。それらの結果を学会へ報告・投稿する予定である。CMが新型コロナ感染症の療養者への対応が落ち着いたと判断した時期に全国の居宅介護支援事業所のCMを対象に質問紙調査を実施し、信頼性・妥当性、さらにアセスメント項目の比較・検討を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、所属機関倫理審査の承認を得、全国の居宅介護支援事業所のCMを対象に質問紙調査を行う準備を進めていた。しかし、指標として実用可能とするためには既存データの解析が必要と研究者間で判断したことから、調査にかかる郵送費等を使用せず、当初の予定より少ない使用額となった。次年度は、調査項目の精選・検討とともに居宅介護支援事業所が新型コロナ感染症へ対応状況が回答率に影響するため、状況を確認しながら調査をすすめる予定としている。そのため調査郵送費、学会参加や専門職者会議に係る交通費等として使用する予定である。
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