研究実績の概要 |
高齢者介護施設におけるインフルエンザの感染制御システムの構築に関する研究として、ベッドを汚染する多剤耐性菌(VRE,ESBL,KPC,AmpC)とATPに対して、パルス方式キセノンUV照射ロボットを用いた消毒効果を検証した結果、多剤耐性菌は直接照射5分で全て死滅した。しかし、透明な樹皮である柵を通したUV照射であると、VREは照射5分80.7%,10分77.7%、ESBLは照射5分20.4%,10分12.7%、KPCでは照射5分23.8%,10分42.0%、AmpCでは照射5分32.6%,10分17.0%が残存した。ATPでは直接照射5分9.1%,10分47.1%、透明な樹皮である柵を通したUV照射5分18.7%,10分38.8%と減少したが有意差は認めなかった。この研究成果は、学術総会で演題発表を行った(2022年6月16日)。 高齢者を中心とした人工呼吸器関連肺炎予防のための口腔ケア関連調査を2022年1月より8月まで実施した。口腔ケアは、ブラッシング3回/日とブラッシング1回/日+保湿ケア(3回/日)の2種類として比較検討を行ったが、口腔内の衛生状態に差はなく、感染予防効果を示した。本研究成果は、2023年度学術集会で報告予定である。 新型コロナウイルス感染症の高齢者に携わる訪問看護ステーションの感染制御の実態調査を行い、国際学会で報告した(2023年3月10日)。研究成果は、学術誌に投稿中である。 高齢者介護施設の職員を対象に、排泄物の取扱いを含めた感染制御の研修を実施した。四日市看護医療大学看護医療交流センターにおいて、訪問看護と介護施設でできる感染対策の講義を担当した(2022年9月22日、2023年1月20日)。名古屋市社会福祉協議会において名古屋市高齢・障害福祉職員研修「感染症対策研修」を3回担当した(2022年7月15日、10月14日、11月11日)。
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