研究実績の概要 |
目的:本研究は、先行研究で開発した禁煙サポートプロフラム(以下、「プログラム」)が一般的に適応可能か否かを検討するためにプログラムに基づく地域介入を実施し、その効果について、妊産婦とパートナーの喫煙率をモニタリングすることでプログラムの検証を行うことである。 方法:2020年7月1日から2021年7月31日にA県G市に妊娠届出をした女性とパートナー192 組を対象とし,妊娠期から産後18ヵ月までプログラムに基づく介入を行った。介入効果については妊娠届出時,4ヵ月児健康診査,1歳6ヵ月児健康診査において喫煙状況を含む無記名自記式質問紙調査を実施した。なお、プログラムは,妊娠期から出産・育児期(3歳児健診)までの期間, 母子健康手帳交付, 妊婦健診, 乳幼児健診などの母子保健システムを活用し, 地域で保健師, 助産師等が協働し禁煙をサポートし、パートナーには女性を介して禁煙支援を行う。 結果:本研究では,対象者192組のうちペアで回収できた122組を分析の対象とした。妊娠判明前に喫煙していた女性は14人(11.5%),そのうち妊娠判明後に喫煙を中止した者は11人(78.6%),産後18ヵ月まで禁煙を継続できた者は8人(80.0%)であった。一方、パートナーでは妻の妊娠判明前に喫煙していた者は56人(45.9%)、そのうち妊娠判明後に喫煙を中止した者は12人(21.4%)、産後18ヵ月まで禁煙を継続できたものは6人(50.0%)であった、女性においては、再喫防止に一定の効果がみられた。パートナーにおいては、喫煙者の6割を越える者が加熱式たばこを使用していることから、加熱式たばこを含めた禁煙手法を開発することが必要である。
|