研究課題/領域番号 |
19K11254
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研究機関 | 高知県立大学 |
研究代表者 |
川本 美香 高知県立大学, 看護学部, 講師 (10633703)
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研究分担者 |
時長 美希 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00163965) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | Place Attachment / 中山間地域 / 保健師 / 公衆衛生看護 / 高齢期 / 住民 |
研究実績の概要 |
本研究は、中山間地域に暮らす高齢期にある住民にみられるPlace Attachmentを、記述により解明し、日本の保健師による地域づくり活動に生かすことを目的としている。2021年度は、1.調査地域における調査の継続および分析、2.中山間地域に暮らす高齢期にある住民のPlace Attachmentの考察と記述、3.研究成果の公表、に取り組んだ。1については、調査を2021年11月まで継続し、12月まで分析を繰り返した。その結果、1)調査地の概況を示す9つの観点、2)住民のPlace Attachmentを表す6テーマを見出し、これらのテーマが、2つの次元と時間軸によって位置付けられていることを明らかにした。2については、1で明らかにした各テーマの意味を考察し、「中山間地域に暮らす住民のPlace Attachment」を記述した。そして、中山間地域に暮らす住民のPlace Attachmentの性質として、現地との関連、高齢期というステージと地域特性との関連性を確認し、地域内発的な創造性と、受け継がれる地域らしさをもたらすものであると考察した。また、Place Attachment概念の特性を考察した。さらに、本研究の日本の公衆衛生看護学への貢献について、考察した。その一部として、本研究の理論基盤であるレイニンガーの看護理論を活用し、中山間地域に暮らす高齢期にある住民のPlace Attachmentに見られるFolk Careの具体的内容を見出した。3については、2の一部について、成果を公表した。2022年度は、本研究成果を住民による健康な地域づくりに役立たせることに向けて、当初の計画をより精緻に達成することを目的とした活動を行う。具体的には、調査地の住民および保健師等と共に作成する報告書の完成と、論文による成果公表に取り組む。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感染症に対し安全な調査手段を調査地に提案し、調査を継続した。これまでの分析をもとに、2021年9月に、本研究における調査結果(案)を完成させた。その結果について、看護学の研究者および現地をよく知るゲートキーパーにみていただき、洗練化させ、11月まで分析を続け、2022年1月に全体の記述を完成させた。このプロセスを辿ったことで、住民のPlace Attachmentをより厳密な方法で記述できたと考える。本研究成果を専門誌に公表することの他、地域住民や保健師・専門職が活用できるものとして、「報告書」にまとめることを計画し、その内容も住民や関連する保健師等と共に完成させる。当初の計画のとおり、順調に進展しているが、より精緻に遂行をするため、補助事業期間を2022年度までに修正し、本研究に取り組むこととした。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、研究報告書の作成と、調査地および高知県内関連地域への配布、そして専門誌での研究論文の公表を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の研究計画をより精緻に遂行するため。具体的には、報告書の作成を住民等とともに進めていくこととしたため、当初計画より時間を要する。
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