本研究は、中山間地域に暮らす高齢期にある住民にみられるPlace Attachmentを解明し、保健師がかかわる地域づくり活動に生かすことを目的としている。2022年度は、1.研究成果の地域への還元、2.研究成果の活用可能性の検討と計画立案・実施、3.成果公表に取り組んだ。1については、①調査に協力いただいた研究参加者および地域への成果説明会の開催、②健康づくりへの可能性に言及して地域住民と関係者からのフィードバック・意見交換を行った。2については、住民のPlace Attachmentのなかにみられたセーフティネットの構造を活用し、地域の高齢者・住民の暮らしに馴染む健康管理システムを検討し、現在専門職者・住民・関係者とともに展開する準備を進めた。これについては、2023年度の本研究成果をふまえた新たな研究活動として展開することが決定した。3については、1の活動の結果に対する真実性の確保のプロセスとして取り組み、分析結果の記述を洗練化した。現在論文作成に取り組んでいる。2023年度は、住民による健康な地域づくりに役立たせるため、人口減少が著しい地域の健康な仕組みづくりを、多分野・住民と共創して構築する具体的な活動を計画して取り組む。そのプロセスを研究活動の成果として残し、今後の本研究テーマによる取り組みの発展を目指す。
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