研究課題/領域番号 |
19K11259
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
内山 繁樹 関東学院大学, 看護学部, 准教授 (80369404)
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研究分担者 |
相澤 和美 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 特任教授 (40296520)
栗城 尚之 関東学院大学, 看護学部, 助教 (90786344)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リカバリー / 家族心理教育 / 統合失調症 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,統合失調症の当事者とその家族を共に支えるリカバリ-志向の心理教育の有用性を検討することである。研究方法は,対象と期間は,Y市内の地域で生活する当事者23名と当事者を持つ親36名を対象に,2020年4月からリカバリー志向の心理教育プログラムを実施した。データ収集方法は,当事者およびその家族8名~10名/1グループとし標準版家族心理教育に準じてセッションを6回行うプログラムを実施した。毎回 QPR-J(リカバリープロセス尺度),RAS(Recovery Assessment Scale),SECL(統合失調症者の地域生活に対する自己効力尺度)をアウトカムとして調査した。 分析方法は,一般線形混合モデルを用いた経時測定データの分析にて解析した。また,Bonferroni法による多重比較を実施し,優位になったものに関する効果量を算出し,すべての検定において有意水準は,p<.05とした。 結果は,QPR-J(F(5, 213.08)= 7.02,p=.001),RAS(F(5, 72.15)= 2.88,p=.002),SECL(F(5, 72.12)=3.48,p<.001)おいて,いずれも有意差が認められ,多重比較では全て介入後4回目以降から5%水準で優位に向上した。効果量も(r=.33,.33,.38)といずれも中程度の大きさであった。 このことから,精神科領域では,リカバリ-が一つのアウトカムとして注目されており,当事者と家族が共に参加するリカバリー志向の心理教育のプログラムの介入は,人生の意味や希望,他者への信頼や自信が持てる,疾病管理や社会生活の対処に上昇が見られ,効果がが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
covid-19の影響により,リカバリーの志向の心理教育プログラム1クール(6回の学習会)が延期になったためである。
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今後の研究の推進方策 |
covid-19の影響により1年延長にて,リカバリーの志向の心理教育プログラム1クール(6回の学習会)が可能になり,質的内容分析を進めることができ,論文化のめどが立った。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度は,COVIDー19の影響により,リカバリー志向の心理教育プログラムが1クール(計6回学習)実施できなかった。また,研修会や学会等の参加費や旅費は,全てonlineのため使用することができなかった。 今年度は,リカバリー志向の心理教育プログラムが1クール対面で実施できるため,会場費,謝礼,反訳費,テキスト代,印刷費,分析指導費,一部の学会参加費と旅費,および新たに感染予防対策として手指消毒,パーテーション対策に当てる。
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