研究課題/領域番号 |
19K11261
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
糸井 和佳 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (30453658)
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研究分担者 |
小宮山 恵美 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (20775051)
梅崎 かおり 帝京科学大学, 医療科学部, 講師 (60737005)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 若年性認知症者 / 居場所 / サポーター |
研究実績の概要 |
都市部在住の若年性認知症者と家族のニーズの明確化のために、国内外の文献をレビューし、診断がつくまでの不安や心もとなさ、退職を余儀なくされる状況、アイデンティティの喪失と信頼できる支援者や理解者の希求、家族の孤立感や負担感、子どもの「親の姿」の受容、社会資源の不足、看取りの課題などがあった。日本認知症ケア学会において情報収集を行った。若年性認知症者の活動拠点づくりが先進的に進められていることや、若年性認知症者の病期には様々なステージがあり、その時々に適した支援が求められていることが分かった。 都市部の若年性認知症者の実態把握のため、自治体で行っている若年性認知症者と家族のためのカフェ(居場所)ならびに大学近隣の若年性認知症者へのケアを提供しているデイサービスを視察した。若年性認知症者と家族が現状を話せる外出先は重要であった。若年性認知症者の進行する症状をアセスメントし、出来ているところと出来なくなっているところ、家族全体の生活の把握とケアマネジメントを同時に行う体制が求められていた。 若年性認知症者のデイサービスにおいては、若年性認知症者が新たな場所に行くことの抵抗感を和らげ、体力につきあう、対象者と支援者という関係性ではなく一緒に活動を行う、家族と情報を共有し、家族の迷いや決心をサポートすることが重要と考えられた。 認知症者へケア提供のみならず、一般住民を対象とした健康講座を開催し、地域住民が来て学べる場を提供していた。住民が関心のある健康増進をテーマに学習できる講座を準備し、認知症者のサポーターとしても活動できる場の提供が重要であると考えられた。 さらに、大学の近隣自治体と共同し、若年性認知症者と家族の現状を住民に知ってもらう機会をつくるための講演会の実施等について検討する機会を持った。対象者や講師の候補、周知の方法等について話し合い、次年度以降に継続することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
地域における認知症指導者研修会等で若年性認知症者の実態を把握予定であったが、自治体の研修会等の開催が感染拡大防止のため中止となっている。文献レビューもさらに海外文献も併せて読んでいく必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
若年性認知症者と家族の現状について住民に周知するための講演会の実施については、今年度はソーシャルディスタンスを保つ関係で進められないと考えられるため、文献による知見をまとめて投稿する。 若年性認知症者の方とデイサービスの支援者の相互作用について、観察研究を進める。また大学の授業運営においても若年性認知症者のケアを学ぶ機会を作り、ボランティア志向のある学生の学ぶ場を醸成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2月以降に予定していた若年性認知症者のデイサービスへの観察研究が、ソーシャルディスタンスを確保し感染拡大防止もあり保留となっており、次年度に継続して行い、交通費ならびにインタビュー経費、謝金等として使用する。
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