研究課題/領域番号 |
19K11264
|
研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
武 ユカリ 関西医科大学, 看護学部, 講師 (00363581)
|
研究分担者 |
三木 明子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (30315569)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 訪問看護 / 暴力防止 / e-learning |
研究実績の概要 |
暴力防止に関する研修を対面・集合型で実施してきたこれまでの活動を振り返り、訪問看護師訪問看護事業所にとって、時間的、経済的にも負担が少なく、効率的で継続的に取り組みやすい形式を検討する必要があると考えた。そこで、本研究は暴力防止に関する教育プログラムをe-learningを開発することを目的としている。 昨年度までに、医療現場における暴力防止のDVDやon-line受講したe-learningについて、プログラムの内容や工夫点について着目し、訪問看護師の職場特性に応じた暴力防止プログラムの検討を行った。プログラムに必要な項目例として、暴力に対する認識への働きかけ、暴力による影響、リスクの識別と評価、教育と訓練、記録管理とプログラム評価があると考えられた。暴力防止には、先ず実態を把握することが重要であり、事案発生の報告が必須といえるが、諸外国における暴力事案は医療従事者側が過小評価、過少報告する傾向があることや、「暴力(対応)は仕事の一部」との認識があるとの指摘もある。本国の医療現場で暴力事案はどのように報告されているのか(上司への報告やチーム組織内での共有など)、実態はあまりわかっていないため、今年度は医療現場における患者・家族からの暴力についての報告に関する文献調査を行った。文献調査から得られた結果として、精神科、一般病院で国内において暴力被害を報告しない、報告できない現状があるとわかった。暴力を受けていても「暴力と認識できていなかった」、報告しなかった理由には「報告しても仕方がない」、「自分も悪いと思った」、「病気のせいだから仕方がない」などがあり、報告書やインシデントレポートなどの作成には、なかなか至らない現状が示されていた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
暴力防止のe-leaningプログラムを完成、on-line試行を目指していたが、訪問看護師の職場特性に応じたプログラムとなるよう内容の充実を図るため、訪問看護事業所の管理者の聞き取りや意見聴取を予定していた。しかしCOVID-19の度重なる流行などの影響で、調整が難しくなった。
|
今後の研究の推進方策 |
令和2年度までに暴力防止プログラム内容で検討した事項で、on-line試行に向けて準備を進めると同時に、訪問看護事業所の管理者などに意見を求め、訪問看護師の職場特性に応じた項目に修正を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
訪問看護師の職場特性に応じた暴力防止に関するe-learinigプログラムをオンライン試用に至っていないため、使用額が生じた。次年度、暴力防止に関するe-learinigプログラムをオンラインで実施するためのシステムを作り、運用するために支出を予定している。
|