研究課題/領域番号 |
19K11270
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研究機関 | 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団 |
研究代表者 |
二宮 彩子 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, ダイヤ高齢社会研究財団(研究部), 研究員 (50332630)
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研究分担者 |
山本 則子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (90280924)
早尾 弘子 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, ダイヤ高齢社会研究財団(研究部), 客員研究員 (30739595)
野口 麻衣子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (60734530)
石橋 智昭 公益財団法人ダイヤ高齢社会研究財団, ダイヤ高齢社会研究財団(研究部), 主席研究員 (10407108)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 在宅看取り / 訪問介護員 / 訪問看護師 / 連携 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、訪問介護員の在宅看取り実践力を高めるため、および不安軽減のために、①看取りの状況における療養者・家族の心身の変化と必要な対処法に関する学習コンテンツをまとめること、②①を基に近隣の訪問看護事業所と訪問介護事業所が協働で看取りについて学ぶシステム(同行訪問・マニュアル整備支援などを含め)を構築し、試行、評価することである。 昨年度までに、訪問介護員を対象としたインタビューにて、在宅看取りに関する訪問介護員の不安や課題を抽出した。そして当該年度、実際に学習コンテンツをまとめ、実証する予定であった。しかし、新型コロナの影響のため予定が遂行できず、急遽予定を変更し、より在宅看取りに関する実態を明らかにするため、a,地域調整役である地域包括支援センター管理者に対し、在宅看取りに関わる訪問介護員の現状や専門職の調整についてインタビューを行うと同時に、b.海外の在宅看取りの現状を文献にて把握した。 その結果、a.のインタビューより、訪問介護員の研修参加は事業所側がその体制をとっていない可能性もあるが、介護員本人も有償でなければ参加割合が高まらない可能性があること、しかしながら、ケースについて他者と共有をしたいと感じていること、等が浮き彫りとなった。また、b,の海外の看取りの現状については、訪問介護員(ヘルパー)に焦点を当てたものは少なく、そもそも米国の既存研究によれば在宅終末期ケアを行っている介護者の9割が家族等であり、フォーマルなヘルパーによる在宅看取りは少ないことがうかがえた(家族による介護負担およびサービス受給拡大の必要性について言及)。訪問介護員による在宅看取りについては、国内外において、検討すべき内容であると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
専門職参加型の実証研究であったが、新型コロナのため、対象としていた訪問介護事業所で予定通り研究を展開することが困難となってしまったため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍のため、当初予定していた計画を対象事業所で展開することが困難となり、今後の計画を変更することとした。 まず、在宅における看取りについて、訪問介護員によるケアの現状、及び、訪問介護員と看護師の連携に焦点を当てた全国オンライン調査を実施すると同時に、「研修(名称変更予定)」参加希望を事業所単位で募る。参加希望事業所(訪問介護事業所および訪問看護事業所)に対し、①オンデマンド教材の視聴②ケースの共有、を柱とした「研修」を実施する。その研修プログラムを評価し、訪問介護員の在宅看取りに関する不安を軽減させる要素を見出すと同時に、後日、実践での対応力、判断力に関する評価を行う(アンケートや小テスト方式)。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は当初専門職参加型の実証研究だったため、コロナ禍の影響で計画が後ろ倒しになり、当初予定金額より当該年度の支出は少なくなった。また次年度、この状況を受けてオンライン調査、オンライン研修等を実施する計画に変更し、これらの遂行のために助成金を使用する予定である。
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