研究課題/領域番号 |
19K11277
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研究機関 | 神戸市看護大学 |
研究代表者 |
山下 正 神戸市看護大学, 看護学部, 助教 (90613092)
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研究分担者 |
嶋澤 恭子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (90381920)
田中 祐子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (10535800)
岩本 里織 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (20321276)
松尾 博哉 神戸大学, 保健学研究科, 教授 (60229432)
山田 千佳 京都大学, 東南アジア地域研究所, 特定研究員 (30848958)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フィリピン / 妊婦 / 鉄葉酸錠 / 鉄剤 / 食多様性 |
研究実績の概要 |
本年度には、2019年度に行った成果を研究論文として報告を行った。 1点目:要因を特定しました。結果では、280人の妊婦のうち、過半数(85.6%、n = 238)が妊娠中にIFASを服用していました。回答者のうち、128人(45.9%)の女性は貧血の兆候と症状についての知識があり、126人(45.3%)はIFASに関連する利点についての知識があり、42人(15.4%)はIFASに関連する副作用についての知識がありました。IFASに関する主な情報源は、医療提供者(41.8%)であり、コミュニティヘルスワーカー(CHW)(14.6%)がそれに続きました。 IFASの利点に関する母親の知識(OR = 2.50、CI = 1.04-5.97、p = 0.04)は、IFASの有病率と正の相関がありました。本結果から、妊婦のIFASの有病率を高めるために、その利点に関する健康教育を改善する必要性があるということがわかりました (Yamashita T et al. Patient Preference and Adherence, 2021)。
2点目:フィリピン・ムンティンルパ市における妊婦の食事状況と食多様性に影響を与える要因に関する論文である。妊娠中の母親の食事摂取に関して、2025年の世界的な栄養目標を達成し、母親と子供の死亡率を減らすために不可欠です。この論文では、フィリピンのモンテンルパの妊婦の食事状態と食事の多様性に関連する要因を評価しました。女性の約半数は、妊娠中の食事の多様性が低かった。回答者の少数が豆、大豆製品、ナッツを消費しました。ロジスティック回帰分析では、貧血に関する母親の知識が乏しく、食事の摂取頻度が低いは、食事の多様性の低下と有意に関連していた。貧血についての妊婦の知識を増やし、出産前ケアを通じて食事摂取が頻繁かつ適切であることを保証することで妊婦の食事の質を改善できることが示唆されました(本論文は投稿中)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響により、東南アジア諸国における現地調査が困難になったため、当初の計画を変更する必要があった。計画変更に伴い、倫理委員会への申請を行ったこと、調査スケジュールや調査方法を変更することに時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、計画立案時の目標を達成するために、計画内容の微修正を行った。当初は、東南アジア諸国に居住する住民が対象であったが、東南アジアにツールを持つ人々の鉄欠乏性貧血の実態を調査することで、地域看護職と協働した持続的支援モデルを検討するという内容に変更した。 その変更に伴い、研究計画を研究代表者が所属する大学の倫理委員会に申請し、承認を得ることができた。
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次年度使用額が生じた理由 |
東南アジア諸国ルーツをもつ人々を調査対象者として加えたことから、調査対象者へのアンケート調査作成費用、アンケート等の資料の翻訳費、調査補助者へのアルバイト費用、調査参加者への謝礼、専用webサイトの作成費用等があげられる。
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