研究課題/領域番号 |
19K11278
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研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
山中 道代 県立広島大学, 保健福祉学部(三原キャンパス), 准教授 (60280187)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳血流 / 光脳機能イメージング / 高齢者 / 認知症予防 / 選択 |
研究実績の概要 |
認知症高齢者が増加している現在,認知症予防は重要である。認知症予防の新たな介入を検討するにあたり「何かを選択」しているときの脳血に着目し研究を進めている。選択する時は,好みによる選択や,ものの善し悪しなどを認知した上での選択があるが,脳血流変化の点からそれらの違いを明らかにし,認知症予防のための新たな介入方法を開発することを目的として研究を遂行している。 現時点では,選択肢が持つ多様性に対応するため「好みによる選択」と「認知による選択」の比較を行うための選択肢の用意を実験補助者の協力を得ながらおこなっているところである。違いを見つけるためには血流の変化量を大きくする必要があり,そのためには「選択」の際に起こる刺激を大きくすることが必要であり,そのための工夫を検討している。令和2年度は,効果的な選択肢の提示方法や,好みの個人差を踏まえた提示のしかたの条件付けの方法を確定させる予定であった。また,難易度の調整については,選択肢の数により変化を付けるため,選択肢を対象者に提示する場合のソフトの開発を研究協力者に依頼し,Microsoft PowerPointのマクロを使った方法を試行し,ランダムに選択肢を提示することを試み,同一の対象者に複数回協力を得ること目ざしている。令和2年度は新型コロナウイルスの影響により,研究計画に基づいて研究を進めることが難しく,計画の見直しが必要であった。感染症対策を徹底させたうえで,選択肢の提示方法が確定すれば,プレテストへ段階を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症により,調査方法の変更を余儀なくされたうえ,研究時間が大幅に削られたことから,実質的な研究の進捗は望めなかった。
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今後の研究の推進方策 |
調査は,密閉された空間で高齢者を対象に行うことを計画している。新型コロナウイルスへの感染リスクがある現在,感染症対策を徹底させる必要があるが,不安が拡大している状況で,対象者である高齢者やその家族の理解をどう得るかが課題である。 理解を得るためには,どうすれば安全に実施できるのか研究方法を見直す必要があると考えるが,感染症が落ち着くまでは困難な状況が続く見込みである。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症により,研究実施時間が減少した上,研究方法の見直しの必要性が生じ,研究進捗に大きな影響があった。研究方法の見直しが必要であったため,人件費を請求するところまで至らなかったことや,研究方法を検討するために毎年参加している学会も中止となったことなどから,経費を必要とする研究活動がおこなわれなかった。
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