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2019 年度 実施状況報告書

急性期病院に入院中の認知症高齢者に対する効果的ケア・パッケージの開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K11279
研究機関高知県立大学

研究代表者

竹崎 久美子  高知県立大学, 看護学部, 教授 (60197283)

研究分担者 原田 圭子  高知県立大学, 看護学部, 助教 (20806062)
渡邊 美保  高知県立大学, 看護学部, 講師 (70571313)
塩見 理香  高知県立大学, 看護学部, 助教 (70758987)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード認知症高齢者 / 急性期病院 / 看護援助 / ケアパッケージ
研究実績の概要

本研究は、急性期病院に入院している認知症高齢者が、回復のために必要な安静を保ちながらも、適度な日中の刺激を得られたり、それを通して夜間の良眠が図れるような看護援助についてケア・パッケージを提案するものである。
初年度は、先行研究から明らかとなった認知症高齢者の夜間対応に関する対策や体制づくりの結果から、ケア・パッケージのまとめを進めている。パッケージとしては、①包括指示(疼痛緩和等)の活用推進と医療処置離脱の推進、②ケアの体制整備(抑制カンファレンスの定例化、リリーフ制度の検討、など)、③薬剤部門との連携による薬剤情報整理、④日中覚醒と期日リズムを促す活動、⑤スタッフ研修1;入院前後の「生活に関心を持ち」「ケアに活かす」取り組み、⑥スタッフ研修2;認知症ケアと対応方法を学ぶ取り組み、⑦スタッフ研修3;身体拘束が必要となる状況のアセスメントとケアの工夫を学ぶ取り組み、などを取り上げている。
特に考慮している点は、「認知症」「せん妄」「身体拘束」といったトピックのみにとらわれるのではなく、「認知症であっても住み慣れた環境ではどのような力が発揮できていたのか」に注目することや、「せん妄状態」は身体状態全体の異変や苦痛を表す症状の一端であり原因や苦痛をいかに取り除くことが重要か。また身体拘束によって医療者側の見方に患者を抑えこもうとするのではなく、本人の側から動く理由を見直すことなど、視点の転換を中心としたケアパッケージをめざしている。
これらのケアの方向性は、ひいては地域包括ケアシステムにつながる、入院前から入院中、入院後を見通したケアの創出をもたらし、結果的に認知症高齢患者に限らず、どの患者のケアにも通じる看護の有り様に通じると考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

本来業務に追われ、年度の前半がほとんど活動できず、初年度に計画していた枠組みのケアパッケージづくりの着手が遅れた。この過程では、実際に近隣協力医療機関の看護師や、スペシャリストに助言を得ながら進める予定であったが、結果的に、新型コロナウィルス感染症拡大により、現在も臨床のスタッフに対する協力依頼等は、難しい状況である。
現在、臨床のスタッフとの共同は見送りとし、再度文献などを精査することでパッケージの原案を構築できるよう、準備中である。

今後の研究の推進方策

近年、認知症高齢患者の急性期病院でのケアや、身体拘束をなくすための組織的取り組みなど、様々な形でケアの推奨が公表されている。また院内デイケアの活動に関する報告例や、認知症ケア加算に伴う、多職種連携の活動報告も多く、再度文献を総括することの意義は大きいと考えている。
また本研究で取り入れる患者のアクティビティについては、認知症高齢患者の日中の覚醒刺激を考えていたが、廃用症状の進行を食い止める意味でも、身体機能の維持や筋力回復などに関する要素も加味した活動について視点を加えることを考えている。この視点は、2000年以降、介護予防事業が注目された時期に多くのプログラムが研究されているため、当時の文献についても再度参考にする計画である。
今年度中は引き続き臨床との共同は難しい状況が継続することが予測されるため、文献等を活用したプログラムの充実にしっかり時間をかけ、内容を充実させていく計画である。

次年度使用額が生じた理由

協力機関へのヒアリングや学会発表などを予定していた時期に、外出自粛要請などがあり、協力機関への交通費、会議の費用などを支出できなかった。他方、文献の取り寄せなどについては手数料のかかる取り寄せが比較的必要でなかったため、次年度以降の活動経費として次年度使用することにした。

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公開日: 2021-01-27  

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