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2019 年度 実施状況報告書

人工炭酸泉浴による高齢者の睡眠改善と認知症予防効果

研究課題

研究課題/領域番号 19K11294
研究機関秋田大学

研究代表者

伊藤 佐知子 (上村佐知子)  秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (40271829)

研究分担者 神林 崇  筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (50323150)
長谷川 裕晃  宇都宮大学, 工学部, 教授 (90344770)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード人工炭酸泉 / 睡眠促進効果 / 認知機能 / 体温
研究実績の概要

研究1 人工炭酸泉が高齢者の睡眠へ及ぼす効果 【はじめに】入浴は、体温の一過性上昇から、皮膚末梢における熱放散をもたらし、入眠潜時の短縮、睡眠後半部分における睡眠効率の改善、中途覚醒時間の減少が報告される。人工炭酸泉は、より一層の皮膚血管の血流量増加が引き起こされる。【目的】これまで、健常若年者を対象に人工炭酸泉浴の睡眠促進効果を確認した。今回、高齢者に対する人工炭酸泉浴の入眠・熟眠効果を検討する。【方法】健常女性高齢者9名(年齢71.3歳)を対象に、人工炭酸泉浴(ダンレイ製業務用泡小町;平均炭酸濃度858ppm)とさら湯浴の2条件を、別日の同一時刻に行った。就寝2時間前に胸骨剣状突起部までの半身浴(平均湯温38℃、10分間)を行い、入浴直後から起床までの体温と就寝中の脳波を測定した。また、入浴と睡眠前後に、フリッカーテスト、眠気などの主観的評価を行った。【結果】体温は、近位温、遠位温、DPG(Distal-proximal temperature gradient)のいずれも人工炭酸泉とさら湯間で有意な差は認められなかった。脳波では浅睡眠が人工炭酸泉で少ない傾向(150min vs 201min、p=0.08)であったが、深睡眠や主観的評価のいずれの項目も有意水準に満たなかった。【考察】先行研究では湯温40℃で15分間の入浴条件であった。今回、高齢者への負担を考慮して湯温を低くし入浴時間を短く設定したため、人工炭酸泉の効果が十分に発揮されなかった可能性がある。【結論】健常高齢者に対する人工炭酸泉浴の睡眠促進効果は認められなかった。
研究2 人工炭酸泉利用者の生活リズムと心身機能の変化 【目的】習慣的に人工炭酸泉浴を行っている方の生活リズムや睡眠状態を認知機能や健康感を調べ、人工炭酸泉が睡眠を通じて心身機能によい影響があるか検討する。(現在進行中)

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度から、1年間にわたる研究2の調査を予定していたが、コロナウイルス感染症対策のため研究が中断している。

今後の研究の推進方策

研究2である人工炭酸泉利用者の生活リズムと心身機能の変化について、研究を進める。習慣的に人工炭酸泉浴を行っている方の生活リズムや睡眠状態、認知機能や健康感を調べ、人工炭酸泉が睡眠を通じて心身機能によい影響があるか検討する。
方法は、習慣的に人工炭酸泉を利用している方とそうでない方を対象に、以下の評価を行い、1年後に再び評価を行う。1.3日分の生活リズム評価(腕時計型加速度計アクチウォッチ)、2.睡眠に関するアンケート(不眠重症度調査票、健康睡眠維持に重要なチェック表)、3.認知機能検査(MMSE、NCGG-FAT)、4.QOLの指標 (SF36)、5.活動レベル(老研式I-ADL)

次年度使用額が生じた理由

研究2である、人工炭酸泉利用者への調査がコロナウイルス感染症対策のため少し遅れたことが原因である。これらは、調査の際に利用するアクチウォッチのリース代、調査補助アルバイトの人件費と旅費に費やされる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Sleep facilitation by Artificial carbonated bathing in healthy elderly: EEG, proximal and distal temperature evaluations.2020

    • 著者名/発表者名
      Uemura S, Kanbayashi T, Imanishi A, Terui Y, Satake M, Shioya T, Nishino S
    • 学会等名
      SLEEP 2020, the 31th Annual Meeting of the Associated Professional Sleep Societies
    • 国際学会
  • [学会発表] 簡易脳波と体温からみた人工炭酸泉浴による高齢者の睡眠促進効果2020

    • 著者名/発表者名
      上村佐知子、藤浦涼、石谷柊真、竹田有希、照井佳乃、佐竹將宏
    • 学会等名
      第57回日本リハビリテーション医学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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