| 研究課題/領域番号 |
19K11300
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| 研究機関 | 茨城県立医療大学 |
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研究代表者 |
岩崎 信明 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (70251006)
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| 研究分担者 |
六崎 裕高 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 教授 (50550927)
中山 智博 茨城県立医療大学, 付属病院, 准教授 (70307528)
増田 知之 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (70372828)
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| 研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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| キーワード | リハビリテーション / 小児 / 上肢機能 / 複合的治療法 / ロボットスーツHAL / CI療法 / 神経筋電気刺激装置 |
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| 研究実績の概要 |
本研究では小児の上肢運動機能障害に対して効果的な治療法を開発することを目的とする。ロボットリハビリテーション機器のロボットスーツHAL、そして、神経筋電気刺激装置Integrated volitional control electrical stimulator（IVES）はどちらも能動的な随意運動で生じた生体信号をトリガーとし、前者は工学的にモーターを用いて、後者は被験者の筋肉を電気的に刺激することで、関節の可動運動を補助する装置である。単関節型のHALはこれまでの本研究で学童期後半からは肘関節への装着し肘関節の屈曲動作の補助が可能であることが判明した。
CI療法(constraint-induced movement therapy「CIMT」)は脳性麻痺片麻痺に対して有効性が示されている数少ない治療法で、自発的な動作を繰り返し行うことで効果が得られると考えられている。しかし、機能障害の程度で十分な回数を施行できない場合も多くみられる。
今年度は昨年度に続き症例を増やし、学童期後半以降の上肢機能障害に対してHALやIVESを用いて機能改善がどの程度得られるかを検証した。CI療法で一般的に用いられている上肢課題のうち機能障害の程度に応じて課題を選択し、1ー2セッション/月、50分/セッション、8か月間で合計9ー13セッションのHAL単独、ないし、HALとIVES併用での上肢運動機能訓練をおこなった。
アクションリサーチアームテストのスコア、上肢テストの質はすべての症例で改善が認められた。単関節型のHALによる運動機能改善効果が得られる可能性が明らかになった。また、一般的にCIMTの効果は得られないとされる手関節背屈が不能の重度な症例でもHALとIVESを組み合わせることによって、手関節背屈運動と肘関節屈曲運動を惹起させることが可能となり効果が得られることが判明した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症に伴い、本研究の主たる研究フィールドである本学付属病院における外来リハビリテーションが中止となることが繰り返され、対象症例数について十分な確保が困難であった。
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| 今後の研究の推進方策 |
次年度もは実際の小児の上肢運動機能障害の症例に対して観察研究を継続し、症例数の増加を図る。CI療法中に一般的に用いられているボードゲーム、カードゲーム、把握ゲーム、パズル、絵画と図工等の上肢を用いた課題について、上肢の運動機能障害の程度に応じたさらに適切な運動課題となるように方法を吟味していく。上肢の運動機能障害の程度に応じ、肘関節運動補助してロボットスーツHALを、手関節運動補助としてIVESを、また、手関節背屈は可能であるが痙性が強い場合は、手関節屈曲の軽減策としてボツリヌス毒素治療を導入する。CI療法は長時間連日の集中的におこなう方法であるが、今回は訓練時間、訓練期間については、本邦での一般的な小児リハビリテーションの外来頻度でおこないながら、CI療法の根底にある頻回に繰り返す自発運動おこなうという考え方を踏襲した治療手順をおこなうことで、本邦に適した治療法を開発してくことを目指す。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
運動機能解析に用いる3次元動作解析装置において、上肢機能の詳細な解析のための追加備品が必要となった。また、学童期後期以降の複合的治療においては、これまでに既に開発されてきた機器を用いることで可能であることが判明したが、体格のため用いることのできないより低年齢の児に対する単関節型HALのアダプター等の開発費用、そして、研究協力者への謝金に用いる。
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