研究課題/領域番号 |
19K11308
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
勝平 純司 東洋大学, ライフデザイン学部, 教授 (00383117)
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研究分担者 |
四津 有人 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30647368)
郷 貴博 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (10782675)
高橋 素彦 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 講師 (30734058)
東江 由起夫 新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (90460328)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 義足歩行 / 装着型機器 / フィードバック |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,義足使用者の骨盤と体幹にみられる代償動作の原因を客観的に明らかにした上で骨盤と体幹のアライメントを修正しつつ,フィードバックを与えることが可能な装着型機器を開発し,その有効性を実験的に評価することである. 2019年度に大腿義足使用者を対象として三次元動作分析装置と床反力計を用いた動作分析の手法により,義足歩行における代償動作の特徴を分析した.大腿義足歩行における特徴的な代償動作は,腰椎を過度に前弯して初期接地をむかえるパターンと股関節屈曲を伴う体幹前傾により初期接地をむかえるパターンに大別できることがわかった.これらの代償動作については義足の構成要素であるソケット,継手そして足部の種類や組み合わせによる影響というよりも,自身が義足歩行を獲得する時や義足歩行を行う期間を通して癖として身についたものである可能性が示された. この腰椎の過度な前弯もしくは体幹前傾を伴う大腿義足歩行特有の代償動作に対して装着型機器を用いて機械的に修正する方法と慣性センサーやスマートフォンなどのアプリケーションを用いて歩行姿勢に対するフィードバックを与える方法の検討を実施した.2020年度はフィードバック方法の検討を行いながら,検討した方法が実際に意図した歩容の修正につながる仕様となっているか健常者を対象として確認作業を実施した. 現在フィードバックを与えるセンサーと装着型機器を組み合わせた試作機の設計案を作成し,大腿切断者を対象とした計測の準備をすすめている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルスの影響を受け,実際の切断者を対象とした計測を実施することができなかった.健常者を対象としたフィードバック方法の検証はある程度実施できているが,今後大腿切断者を対象とした検証と改良作業が必要となる.
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今後の研究の推進方策 |
研究の方針は定まっているため,新型コロナウィルスの感染状況がある程度落ち着けば計画通りに研究を遂行できると考えている.新型コロナウィルスの感染状況が落ち着いた段階で大腿切断者を対象とした計測を再開し,現在考案しているフィードバック方法の効果検証を実施する.感染が収束せず,対面での計測が難しい場合,機器を送付してリモートで説明するなどの新たな対応を検討する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では考案した装着型機器とフィードバック機器を大腿切断者に装着させ,実計測を行った上で改良を繰り返すというプロセスが必要となる.基本的な研究の方針は決定しているが,新型コロナウィルスの影響を大きく受けてプロトタイプ設計の前に実施する確認作業の段階で大腿切断者の協力が得られなかったため,研究をすすめることができなかった.また分担研究者は新潟在住であるが,首都圏との往来が禁じられていたため,実験や打ち合わせにかかる費用が発生せず,使用額に大きな差が生じた.現在はリモートでも計測を実施することができるように準備を進めている.また検証のプロセスを短くすることで,先に試作機を最終成果物に近いかたちで仕上げることも計画している.前年度予定していた試作器の製作を今年度中に確実に実施することで,残額を計画通り使用できると考えている.
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