研究課題/領域番号 |
19K11309
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研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
千鳥 司浩 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (80454297)
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研究分担者 |
三上 章允 中部学院大学, 看護リハビリテーション学部, 教授 (40027503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 感覚 / バランス / 確率共鳴 / 振動刺激 / ホワイトノイズ / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
本研究では健常者に対し効率良く確率共鳴を起こすための刺激条件を明らかにし,その結果を踏まえ高齢者および神経障害を呈する患者に対する適用を進め,有効な感覚障害の改善方法を検討し,その効果について検証することを目指している.研究実施初年度の主な目的は,(1)確率共鳴を引き起こすための振動刺激装置の構築を実現するとともに,(2)若年者の足部に対し確率共鳴を起こすための振動刺激を与え,表在・深部感覚の感度の向上が得られやすい刺激条件を明らかにすることである. 具体的に以下のように実施した. (1)刺激装置として当初,CEDRAT社製RK42F3Uを使用予定であったが,増幅器や周辺装置を含めたコストが予想以上に高価で,両足部の前後・左右で刺激効果を確認するための十分な台数を用意できないことが判明し,代替となる装置をいろいろと探した.その候補としては,スピーカーや複数のタイプの振動子を試し,PCからのノイズ刺激,スマートフォンからのノイズ刺激で刺激装置としての適正を調べた結果,ADTEDM製の触感デバイスであれば,予算内で必要台数購入可能であり,また,今回の研究目的に沿った刺激強度を得られることが判明した.次に,刺激装置のセットアップとしてKuritaら(2013)の方法に準じ,PCソフトウェアを用いて300Hzのローパスフィルタをかけたホワイトノイズを生成し,スマートフォンからの操作により振動強度を100段階に設定できるように調整した. (2)健常若年者を対象に刺激部位,振動強度の違いによる基礎データの収集として,第一足趾先端部,踵部における触圧覚,二点識別覚の閾値および自動的検査法による足関節位置覚について測定しており,現在データを収集している最中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究初年度に計画した主な目的は2つあり,下記のような理由により進行が遅れている. (1)刺激装置の作成および増幅器の決定にあたり様々なタイプのものを模索したため時間を要した. (2)健常若年者に対する実験において,新型コロナウィルスの影響により大学が閉鎖されているため被験者の動員ができなくなり,被験者数が十分ではない現状である.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,大学の解放とともに初年度に計画していた健常若年者を対象とし,効率よく確率共鳴を起こすための刺激条件を決定し,足底感覚向上に伴う立位静的・動的バランスへの影響について明らかにする.
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次年度使用額が生じた理由 |
当初,予定していた刺激装置,増幅器の選定およびセットアップに時間を要したことや新型コロナウィルスにより大学が閉鎖され実験の進行が遅れたため支出が遅れた.なお刺激装置については,ADTEDM製の振動子を追加で購入予定である.
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