研究課題/領域番号 |
19K11312
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研究機関 | 東京保健医療専門職大学 |
研究代表者 |
田畑 稔 東京保健医療専門職大学, リハビリテーション学部, 教授 (30508859)
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研究分担者 |
濱嵜 伸明 北里大学, 大学病院, 主任 (40448973)
加藤 倫卓 常葉大学, 健康科学部, 准教授 (80737354)
山本 壱弥 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 理学療法士 (80828559)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 慢性心不全 / 再入院予防 / 左室駆出機能 / 心臓リハビリテーション / 身体運動機能 |
研究実績の概要 |
慢性心不全患者は、退院後1年以内に約30%の患者が非代償性心不全の急性増悪により再入院する。慢性心不全患者の中で左心室の収縮機能が保たれた心不全(HFpEF)患者も心不全増悪による再入院を繰り返すが心機能を維持したままの状態で生命予後が悪化するが、HFpEF患者の再入院を予防する要因や臨床評価指標による影響は未だ明確ではない。 本研究の目的は、後ろ向き観察研究より、①HFpEF患者が心不全の増悪により再入院へ至る病態変化を心機能、血管機能、自律神経機能、身体機能、運動耐容能の観点より検証する。②HFpEFの進行に伴う病態の変化より、非代償性心不全による再入院を予測する評価指標を解明し、HFpEF患者の再入院を予防するために有効な臨床評価指標を確立することである。 今年度は、ESC Congress 2020 The Digital Experienceにおいて、発表演題名Correlation between respiratory muscle weakness and frailty status as risk markers for prognosis in patients with cardiovascular disease にて、心血管疾患患者における呼吸筋筋力低下とフレイル状態によるリスク評価について発表を行った。この他、学術大会開催日程の大幅変更、開催形式変更等、研究成果を発表する機会を逸する状況が多々生じた。 高齢心不全患者における入院中の手段的日常生活動作の低下に関連する要因として、高齢,糖尿病の合併、要支援あるいは要介護状態、Alb の低値、そしてMMSE の低値が抽出され(それぞれP<0.01,P<0.01,P<0.05,P<0.05,そしてP<0.05)、入院中に手段的日常生活動作が低下する高齢心不全患者の特徴は、高齢、糖尿病の合併、要支援あるいは要介護状態、Alb の低値、MMSE 低値であることを理学療法学48 巻 (2021) 2 号へ投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症拡大に伴い、実質上、患者データ収集が不十分な状態に陥っている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度においても、新型コロナウィルスワクチン接種状況が芳しくないため、2020年度同様、患者データ収集には、困難が予測され、2022年度まで、研究期間の延長を視野に入れ、研究を推進する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は、年度冒頭より、政府から新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う、緊急事態宣言の発出に伴い、私が所属する東京保健医療専門職大学においても、研究活動の一旦停止措置が行われました。緊急事態宣言の解除後も、所属する東京保健医療専門職大学における科研費を所管する部署が決まらず、対応する職員やシステムが未決のまま、2020年度下半期中盤を迎え、2020年終盤となって、ようやく、科研費対応人員の確保と科研費を管理する仕組みが整いましたが、2020年度は、実質、研究活動自体が停止したままとなり、科研費仕様計画と使用額との差が生じています。
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