研究課題/領域番号 |
19K11319
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
西村 誠次 金沢大学, 保健学系, 教授 (70251965)
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研究分担者 |
立矢 宏 金沢大学, フロンティア工学系, 教授 (10216989)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 運動調節能 / 母指 / 示指 / 中指 / 手指巧緻性 |
研究実績の概要 |
我々はこれまで自作の計測システムで,母指と示指の最大筋力及び運動調節能を計測し,本法の再現性と信頼性の検証,さらに母指,示指屈曲の運動調節能とオコナー巧緻テスト(以下オコナー)との基準関連妥当性を検証してきた.今回は中指屈曲の計測を追加し,さらに手指の巧緻能力として,オコナーに加え,パーデューペグボードテスト(以下パーデュー)を計測し,手指の運動調節能とオコナー,パーデューとの関連性を検証した. 対象は事前の説明に同意を得た105名105手の右手で,平均年齢は21.4歳であった.測定システムは自作の計測機器を用いて,測定肢位は椅坐位で,肩関節屈曲60°,前腕中間位,手関節背屈40°とした.測定は,母指,示指,中指屈曲の最大筋力を計測した後,最大筋力25%の運動調節能を計測した.運動調節能は,画面の目標値からずれた動揺総軌跡長を計測値とし,各計測のサンプリング周波数は20Hz,計測時間は10秒間とした.手の巧緻能力の評価法として,オコナー(右手)とパーデュー(右手と両手によるアセンブリーの2方法)を実施し,各運動調節能との相関係数を算出した. 母指屈曲とオコナー,パーデューの右手とアセンブリーとの相関は,各々r=0.25,r=-0.15,r=0.06,示指屈曲は各々r=0.48,r=-0.36,r=-0.31,中指屈曲は各々r=0.04,r=0.12,r=0.08で,示指屈曲の運動調節能は全ての巧緻能力の評価法と弱い相関(P<0.05)を示し,母指,中指屈曲では全て相関を認めなかった.つまり,示指屈曲がつまみ動作で最も手の巧緻能力に寄与していることが示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
臨床応用のための計測機器の改良は順調であるが,新型コロナウィルス感染症の影響で,健常人,及び手外科疾患患者での計測が予定通り実施できない状況である.
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルス感染症の拡大状況に応じて,かつ計測に伴う感染予防の環境を整えながらデータ収集を再開する.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定の消耗品等が安価で購入できたため,次年度使用額が生じた.次年度使用額と令和3年度分として請求した助成金については,今年度の計測に伴う計測機器調整費,及び電極クリーム・固定用テープ等の消耗品費として使用する計画である.
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