研究課題/領域番号 |
19K11323
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
安陪 晋 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (10359911)
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研究分担者 |
鈴木 善貴 徳島大学, 病院, 講師 (40581393)
大川 敏永 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (40726006)
河野 文昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (60195120)
大倉 一夫 徳島大学, 病院, 講師 (70304540)
松香 芳三 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (90243477)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 顎関節症 / CT / MRI / 有限要素モデル / 3次元解析 |
研究実績の概要 |
本研究は顎関節症の治療に用いる咬合挙上副子(以後、Splintと称する)が顎関節や周囲組織にどのような影響を及ぼしているかを検討することを目的としている。そのために、顎関節症の患者および健常者にSplintを作成・装着する。その後、MRIやCTの画像データおよび顎運動から有限要素モデルを構築し、Splintの力学的要素を三次元的に評価し、Splintの治療が生体にどのような影響を及ぼしているかを数学的に計算することで臨床的効果を検討できる。 現在まで、CTおよびMRIの撮影は終了しているものの、MRIの精度の面から補正が必要とされている。本研究では解析方法がやや煩雑になるため、より解析しやすさを追求している。そのために、科研費申請時に既存のソフトウェアを提示し購入を検討していたが、採択後は様々なソフトウェアが開発されており、その利点と欠点を考慮して、ソフトウェアの最終選定を行っている。CTとMRIからの画像データの重ね合わせ精度の問題を踏まえて、慎重に選定作業を行っている。 研究対象者に関しては、コロナウィルス感染症により、患者数が減少している。さらに、Splintを装着しても、再来することが少なくなっている。また、本研究では健常者を用いて比較を行うが、その対象となる健常者(今回の研究では、学生)がコロナウィルス感染症のために、大学病院での出入りする機会が減っていることも、研究自体が滞っている原因であると考える。 現在は、一部の大学職員に対して、問診や口腔内診査を行い、さらには睡眠時ブラキシズムの検討を行い、顎関節症を患っているものや健常者を選定し、滞っている研究を進めていきたいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在までは、1名の顎関節症の患者に対して、Splint治療を行い、さらにCTを撮影が終了している。また、MRIについても終了しているが、精度や撮影方向の問題によりCT画像データとの重ね合わせができるレベルには達していない。また、この患者に対しても診察が途切れている。これはコロナウィルス感染症により、来院を控えたいとの患者の意向もある。新たな顎関節症の患者を探す必要がある。 ソフトウェアに関しては、MRIの重ね合わせをするソフトウェアが少ないこともあるため、様々なソフトウェアを試しているところである。現在、注目しているソフトウェアがあり、そのデモソフトウェアでCTの三次元構築は容易できたため検証は終了しており、MRIについても三次元構築もほぼ終了している。ただ、重ね合わせについても課題が残っているため、解消する必要がある。 健常者に関しては、職員を含めて顎関節の問診及ぶ口腔内診査を随時行っている。さらに、それに付随してSplintは夜間に使用するため、夜間のブラキシズムの有無についても確認を行い、候補者選定を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究としては、まずソフトウェアの選定が優先されることである。それにより三次元有限要素モデルで顎関節の荷重配分が計算できるかを図ることが必要になる。つまり、測定フロー確立が非常に大切になってくる。これが確立されることにより、容易に研究が進行できると考えている。 次に、被験者の問題である。現在、コロナウィルス感染症により、患者数が減少傾向である。さらに、Splint治療を行った後でも、感染症の影響で来院が途絶えることもある。そのため、大学職員の中で、顎関節症を患っているが、治療を行っていない職員を選定し、Splint治療の了承を得て、CTおよびMRIと顎運動測定を行い、有限要素モデルを構築する。また、健常者に関しても同様に、職員などから選定する必要がある。現在までに、問診や口腔内診査を一部終了している。その中から健常被験者を選定し、Splint装着での顎関節に掛かる力について検討を行い、顎関節症被験者との比較を検討していかなければならないと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
顎関節部のCTおよびMRIの画像から三次元構築を行い、顎運動などの運動データを三次元形態モデルに運動要素を入力することで、有限要素モデルが完成する。有限要素モデルを構築するために、まずはソフトウェアを購入する必要がある。そこで、現在はデモソフトウェアを使用し、研究に最適なソフトウェアの選定を慎重に行っている。最終選定が終了時に、ソフトウェアを購入する。このソフトウェアは専門性の高いため、金額が比較的高い。今までは、ソフトウェアの選定まで至っていないため、次年度にはソフトウェアの購入により、多大な金額を使用する。 また、本来顎関節症の患者に治療とともに研究協力を求める予定だったが、コロナウィルス感染症により、大学職員から健常者および顎関節症患者に協力しもらうための謝金を用意する。上記により、次年度使用額は全てソフトウェア購入や謝金に使用する予定である。
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