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2023 年度 実績報告書

高強度パルスレーザー照射による疼痛緩和機序の検討と適応・非適応の明確化

研究課題

研究課題/領域番号 19K11329
研究機関高崎健康福祉大学

研究代表者

竹内 伸行  高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 教授 (20587076)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2024-03-31
キーワード半導体レーザー / 低出力レーザー / 疼痛 / 温熱
研究実績の概要

令和5年度はそれまでの研究成果を整理しながら、学会および論文発表を中心に行った。特に10W半導体レーザー照射が痛覚閾値に与える影響は、本研究課題の主たる部分をなすが、無作為化比較対照試験により得た知見を学会発表することができた。加えて、その基礎データとして10W半導体レーザー照射により生じる組織温上昇を検討し報告した。これまではいわゆる低出力レーザーには組織レベルでの温熱作用は無いとされてきた。10W半導体レーザーは、パルス照射により熱傷等を避けつつ比較的高強度のレーザーを照射し、光線療法のうち低出力レーザーとして扱われてきた。本課題の結果から、皮下1㎝の深部組織温が、レーザー照射により有意に上昇することを確認した。急性炎症等の温熱刺激が禁忌あるいは注意を要する病態に対し、リスク管理上有益な情報を発信することができたと考える。さらにリハビリテーション等では深部温熱療法は重要な治療手段である。これまで10W半導体レーザーを含む低出力レーザーはその選択肢には入らなかった。しかし本成果による深部温上昇効果が認められたことで、深部温熱療法の選択肢になり得ることが明らかになった。一方、その温度上昇は照射終了後数分で有意な変化が無くなることも明らかになった。臨床的にはレーザー照射終了後、直ちに運動療法等と組み合わせて軟部組織の治療を行うことが有用であると示唆された。これらは本研究課題の副次的成果であるが、組織温上昇で生じる温熱作用は、局所循環改善や組織の緊張抑制、痛覚の閾値上昇などにより疼痛緩和にも働くことが示唆されており、本研究課題の主たる目的である10W半導体レーザー照射による疼痛緩和作用を考えるうえでも有益な基礎情報となった。また令和5年度は、本研究課題の一部として出力180mWのレーザー療法による疼痛緩和作用も検討し、その成果を学術論文として投稿することができた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2024 2023

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 圧痛閾値と電流痛覚閾値および電流知覚閾値の関連性-健常成人における基礎的検討-2023

    • 著者名/発表者名
      竹内伸行、松本昌尚、樋口大輔
    • 雑誌名

      慢性疼痛

      巻: 42(1) ページ: 32-36

    • 査読あり
  • [雑誌論文] リハビリテーション領域における半導体レーザー療法の有用性2023

    • 著者名/発表者名
      竹内伸行
    • 雑誌名

      JaLTA

      巻: 21(2) ページ: 18-22

  • [学会発表] 異なる方法で算出した時間的加重の関連性について2024

    • 著者名/発表者名
      竹内伸行、松本昌尚、樋口大輔
    • 学会等名
      第53回日本慢性疼痛学会
  • [学会発表] Photobiomodulationを想定した異なる強度の低出力レーザー照射による生体内散乱光強度の検討2024

    • 著者名/発表者名
      竹内伸行、松本昌尚、樋口大輔
    • 学会等名
      第63回日本生体医工学会大会
  • [学会発表] レーザースポーツ医科学 疼痛管理におけるレーザー治療2024

    • 著者名/発表者名
      竹内伸行
    • 学会等名
      第35回日本レーザー治療学会総会・学術大会
    • 招待講演
  • [学会発表] 10W半導体レーザーのパルス照射が組織温に与える影響―健常成人によるクロスオーバー試験―2023

    • 著者名/発表者名
      竹内伸行、松本昌尚、樋口大輔
    • 学会等名
      第44回日本レーザー医学会総会
  • [学会発表] 圧痛閾値と時間的加重の関連性-健常成人における性差の検討-2023

    • 著者名/発表者名
      竹内伸行、松本昌尚、樋口大輔
    • 学会等名
      第45回日本疼痛学会

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公開日: 2024-12-25  

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