研究課題/領域番号 |
19K11332
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
吉田 友英 東邦大学, 医学部, 教授 (20201030)
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研究分担者 |
田中 稔丈 東邦大学, 医学部, 助教 (50722849)
戸塚 華子 東邦大学, 医学部, 助教 (60839885) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | Body Tracking Test / 筋電図 / 体平衡機能 / 抗重力筋 / 加齢性前庭障害 |
研究実績の概要 |
本研究では、健常な成人の抗重力筋、特に下肢筋の関わりを解析し、姿勢制御がどうなされているのかを詳細に解析し、成人と高齢者の姿勢制御の違いを解明することで加齢性前庭障害の概念の確立と早期の評価、加齢による姿勢制御機能低下の予防プログラムを樹立することである。 抗重力筋の測定のためにPowerLabEMG測定システムを用いて、動的体平衡機能検査であるBody Tracking Test(BTT)と筋電図(EMG:Electromyography)を同期させて同時記録を行い、抗重力筋の測定を行った。 BTTは、左右BTTと前後BTTを用いた。左右・前後BTT検査とEMGを同期させながら軸を合わせての解析をすすめた。健常成人では、左右の前脛骨筋・腓腹筋に偏らず、バランスよく追随をしていた。BTTのランクに合わせて成人と高齢者を比較して検討した。上位ランクの高齢者では、左右BTTの場合は、特に腓腹筋を有効に活用していた。前後BTTでは、健常若年成人と高齢者で筋の使用に有意差はみられなかった。 健康成人と高齢者の10段階評価は終了しているので、ランク別に同期した動的体平衡機能評価データと下肢筋電図による筋活動データの解析を行った。上位ランクの高齢者について、さらに検討を行った。 左右BTTの上位ランクの高齢者では、重心の動きと腓腹筋の活動に相関(同期性)がみられた。左右BTTの上位ランクと静的な検査である重心動揺検査結果では差がみられなかったが、動的な検査である視覚フィードバック検査では、上位ランクの高齢者は円内率も有意に高かった。動的体平衡機能検査である視覚フィードバック検査や左右BTTでは、立位姿勢の安定保持がまず必要であり、背側の筋である腓腹筋が姿勢の制御に重要であることが再認識された。高齢者の転倒予防には、腓腹筋、すなわち下腿三頭筋を鍛えることが重要であると結論づけることができた。
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