研究課題/領域番号 |
19K11336
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
花山 耕三 川崎医科大学, 医学部, 教授 (80189589)
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研究分担者 |
関 聰介 川崎医科大学, 医学部, 講師 (10341124)
目谷 浩通 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30330583)
山本 五弥子 川崎医科大学, 医学部, 講師 (60551215)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | リハビリテーション / 呼吸リハビリテーション / 神経筋疾患 / 拘束性換気障害 |
研究実績の概要 |
研究期間内に行うことは、(1)三次元動作解析による胸腹部体積変化測定法(OEP)の確立、(2)健常者の呼吸運動への体幹前屈の影響の検討、(3)パーキンソン病患者の呼吸運動(咳嗽を含む)の特徴と関連する因子の検討であった。 (1)OEPによる測定法の確立:おおむね確立したが、咳嗽の評価はOEPでは最終的に困難であった。今後、方法を再検討したい。 (2)健常者の呼吸運動への体幹前屈の影響の検討:前年度にすでに検討を行ったが、体幹運動はあまり肺活量その他の呼吸パラメータに影響しないという結果であった。また、体幹運動の影響は若年者と高齢者を比較しても明らかな特徴を認めなかった。 (3)パーキンソン病患者の呼吸運動の特徴と関連する因子の検討:パーキンソン病患者は20例を目標としていたが、今年度は適切な被検者が得られなかった。2021年度までに計測された症例7例をPD群として解析を行った。年齢とbody mass indexをマッチさせた7名の対照群との比較では、PD群は肺活量、努力肺活量、咳のピークフローとも対照群よりも有意に低かった。OEPによる解析では、安静呼吸中の胸腹部全体に対する上下部胸郭と腹部の比率はPD群では腹部の割合が大きく、対照群では上部胸郭の割合が大きかった。深呼吸においては各分画の比率は2群間で明らかな差を認めなかった。筋活動量に関しては、対照群では深呼吸の吸気相の第二肋間筋と呼気相の腹直筋と外腹斜筋において吸気の開始から終末にかけて、および呼気の開始から終末にかけて筋電量が有意に増加したが、PD患者では有意差は認められなかった。結論として深呼吸の呼吸運動パターンには差がないものの筋活動で差を認め、PD患者は状況に応じた呼吸筋の活動ができていない可能性が考えられた。この内容をもって論文化を行った。
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