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2020 年度 実施状況報告書

認知症診断のための手指運動巧緻性のパラメータの判別とその実証

研究課題

研究課題/領域番号 19K11339
研究機関国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

鈴村 彰太  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 作業療法士 (30790498)

研究分担者 大沢 愛子  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 医長 (10388944)
近藤 和泉  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 病院, 副院長 (50215448)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード手指機能 / 認知症 / 指タップ / アルツハイマー病 / 手指巧緻性 / カットオフ / 軽度認知障害
研究実績の概要

本研究では、大規模集団の認知症高齢者の手指運動巧緻性を、指タップ運動を用いて計測し、認知症患者の手指運動巧緻性の低下を捉える検出度の高いパラメータを抽出する。また、手指の運動を地域高齢者の認知症のスクリーニング評価に使用することを想定し、より妥当性の高い最適なカットオフ値を設定するのを目的としている。
選択基準は、AD、MCIの診断がついた60歳以上の右利きの患者で, 研究方法を十分に理解できる患者とした。除外基準は、意識障害、振戦、失語症や失行症などの高次脳機能障害, 麻痺や感覚障害, 手指巧緻性障害を呈する者とした。なお、確定診断に迷った場合は、認知症の専門医によるカンファレンスにて協議し、診断を確定した。現在、アルツハイマー病患者(AD群)180名、軽度認知機能障害患者(MCI群)211名、健常高齢者(control群)280名の計測を終えた。
中間解析を実施。MCI群とcontrol群のパラメータの比較では、両手交互のタップ回数で効果量が大きかった(p<0.0001, r = 0.51)。また, リズム(p<0.0001, r = 0.45)、リズムのばらつき(p<0.0001、r = 0.43)、すくみ回数(p<0.0001、r = 0.41)といったパラメータでも、r > 0.4以上と効果量は中等度に高かった。カットオフ値について、ROC分析を行った結果、タップ回数のカットオフ値は30回、感度0.769、特異度0.665、AUC 0.79であった。
今後は、引き続き計測をすすめ、カットオフ値の妥当性の検証をする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウィルス感染症の影響で、症例数の確保が遅れている。

今後の研究の推進方策

今年度も引き続き、計測者数を増やすため積極的にリクルートを行う。また、カットオフ値の妥当性の検証も行っていく。さらに、年齢別の手指機能の差異も検証していきたいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

理由:コロナの影響で国内外の学会出張ができなかったため計上しなかった。
使用計画:現在準備中の英語論文の英文校正費に支出予定である。また,国内外の学会参加費も支出予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Assessment of finger motor function that reflects the severity of cognitive function.2021

    • 著者名/発表者名
      9.Suzumura S, Kanada Y, Osawa A, Sugioka J, Maeda N, Nagahama T, Shiramoto K, Kuno K, Kizuka S, Sano Y, Mizuguchi T, Kandori A, Kondo I
    • 雑誌名

      Fujita Med J

      巻: 7 ページ: 122-129

    • DOI

      10.20407/fmj.2020-013

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Assessment of finger movement characteristics in dementia patients using a magnetic sensing finger tap device2020

    • 著者名/発表者名
      Sugioka J, Suzumura S, Kawahara Y, Osawa A, Maeda N, Ito M, Nagahama T, Kuno K, Shiramoto K, Kizuka S, Mizuguchi T, Sano Y, Kandori A, Kondo I
    • 雑誌名

      Japanese Journal of Comprehensive Rehabilitation Science

      巻: 11 ページ: 91-97

    • DOI

      10.11336/jjcrs.11.91

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Reduced Family Care Burden by Using Communication Robot: Report of a Case.2020

    • 著者名/発表者名
      Suzumura S, Eiko Takano, Yoshie Sugishima, Rie Narukawa, Isao Makino, Tomoaki Abiko, Shigeo Oi, and Izumi Kondo
    • 雑誌名

      Geriatr Gerontol Int

      巻: 20 ページ: 384-385

    • DOI

      10.1111/ggi.13871

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] The Psychological Effects of a Babyloid: a pilot study2020

    • 著者名/発表者名
      18.Takano E, Ito K, Suzumura S, Maeda N, Ito Y, Makino I, Abiko T, Oi S, Kondo I.
    • 学会等名
      The 11th World Congress for Neuro Rehabilitation
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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