研究課題/領域番号 |
19K11341
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研究機関 | 東亜大学 |
研究代表者 |
高本 考一 東亜大学, 人間科学部, 准教授 (00553116)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 理学療法 / 筋音図 / 筋電図 / 筋骨格系疼痛 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、筋骨格系疼痛に関与するトリガ―ポイント(Myofascial Trigger Points: MTrP)の非侵襲的客観的評価法を確立することである。そのため、筋骨格系疼痛患者を対象に筋音図・表面筋電図同時計測及び針筋電図を用い、MTrPが存在する筋の持続性等尺性収縮時の物理的特性(筋線維の変形性)・電気生理学的特性を明らかにする。
これまでMTrPの評価は触診による主観的評価が主であり、客観的形態・機能評価法が確立していない。針筋電図はMTrPの電気生理学的特性を評価でき、MTrPの有用な診断法であるが、熟練の技術が必要で侵襲性が高いため簡便で侵襲性が低い評価法が必要とされる。筋音図は筋の物理的特性(筋線維の変形)を非侵襲的に評価することができ、MTrP領域では自発的・持続的筋活動電位の発生により局所の連続的筋収縮が生じ、筋の弾性率などの物理的特性が異なることが推定され、MTrPの診断に用いることが可能であると推測される。
具体的計画としては、僧帽筋にMTrPを有する慢性頚部痛患者及び健常者を対象に、同筋のMTrP部位、およびMTrPが存在しないnon-MTrP部位から、持続性等尺性収縮時の筋音・表面筋電図及び針筋電図を同時測定する。各測定部位から記録された波形の振幅および周波数解析による平均・中央周波数変化を解析・比較し、MTrPが存在する筋の収縮時の物理的特性・電気生理学的特性を明らかにする。2020年度は慢性肩関節痛患者を研究対象に僧帽筋のみならず棘下筋でも筋音図・筋電図・針筋電図を同時測定できるよう実験環境を構築した。また筋音図・筋電図・針筋電図のデータ処理及び解析環境を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染拡大のため、所属大学の方針により、被験者を募集するのが困難となり、研究実施が当初の予定よりも遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウィルスの収束後、またはワクチン接種済みの被験者を用いて、研究実施が可能となり次第実験を進める。研究の対象を頚部痛患者だけではなく同様の発症機序を有すると想定される肩関節痛患者に広げることにより、迅速に被験者を確保し実験を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
患者を対象にプレ試験を実施後、追加で計測センサーを購入する予定であったが、新型コロナウィルス感染拡大のため実験実施することが困難となり、購入ができず未使用額が生じた。また研究の対象被験者を募集し実験をすることできなかったため、謝金に該当する助成金に未使用額が生じた。次年度の研究費の使用計画としては、筋音図・表面筋電図・針筋電図計測センサーを追加購入、被験者への謝金支払いに使用する予定である。
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