研究課題
酸化ストレスの発生手段として運動を採用し、小児期における運動と運動習慣の中断が糖代謝経路に関係する各種臓器に及ぼす影響を検証した。過食によって肥満2型糖尿病を生じるモデル動物として4週齢の雄性OLETFラットを用い、非肥満2型糖尿病の対照動物として同一週齡の雄性LETOラットを用いた。OLETFラットはランニングホイールで自走運動を行う運動群と非運動群に区分した。また、運動群は4から12週齢までの全期間において運動を実施する群、及び4から6週齢にかけて運動を実施した後に6から12週齢にかけて脱トレーニング期間を設けた群に細区分した。12週齢時点における体重と血漿トリグリセリド濃度について、運動を全期間実施したOLETFラットは、LETOラット及びOLETFラットの非運動群と比較して有意に低値を示した。一方、運動期間終了後に脱トレーニング期間を設けた場合、運動期間中は餌摂取量が抑制されて低体重で推移するものの、脱トレーニング期間中に餌摂取量が徐々に増加した。その結果、12週齢時点において、OLETFラットの脱トレーニング群における体重と血漿トリグリセリド濃度は、運動を全期間実施したOLETFラットだけでなく、OLETFラットの非運動群と比較した場合でさえも有意に高値を示した。この脱トレーニングに伴う過剰な肥満の助長に関して、肝臓、白色脂肪組織、褐色脂肪組織、骨格筋、膵臓を対象として、脂肪蓄積を確認したところ、肝臓におけるトリグリセリド含有量、及び褐色脂肪組織の白色化について、脱トレーニングに伴う過剰な肥満では顕著な増悪が確認された。若齢期における運動習慣の中止によってOLETFラットの過食が助長され、肝臓における異所性脂肪の蓄積、並びに褐色脂肪組織の白色化が進行し、肥満が増悪する可能性が示された。
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