研究課題/領域番号 |
19K11347
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分59010:リハビリテーション科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
坂本 淳哉 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 准教授 (20584080)
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研究分担者 |
本田 祐一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 助教 (40736344)
沖田 実 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (50244091)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 運動療法 / 変形性膝関節症 / 慢性疼痛 / 一次予防戦略 / 二次予防戦略 / 歩行運動 / 筋収縮運動 / 抗炎症作用 |
研究成果の概要 |
最近では,筋骨格系慢性疼痛対策としてその発生を予防する介入戦略の確立が課題となっている.本研究では,変形性膝関節症(膝OA)に起因する慢性疼痛の一次予防戦略および二次予防戦略としての運動療法の効果とその生物学的機序について,ラット膝OAモデルを用いて検証した.その結果,継続的な歩行運動を負荷すると膝関節内では炎症を抑制するような生体環境が整えられ,膝OAを発症しても痛みが軽度となることが明らかとなった.また,膝OA発症後に低強度の筋収縮運動を実践すると,滑膜炎が改善することで脊髄における中枢感作が抑制され,患部および患部の遠隔部の痛みが改善することが明らかとなった.
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自由記述の分野 |
リハビリテーション科学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果,継続的な運動を実践すると炎症に抗する生体内環境が整えられ,膝OAを発症しても痛みは軽度となり,その結果,慢性疼痛へ発展する可能性は低くなると考えられる.また,膝OA発症後でも継続的な筋収縮運動を実践すると,痛みの発生・持続に関わる病態が抑制されることで痛みが改善し,慢性疼痛の発生を抑制できると推察される.つまり,本研究の成果は,継続的な運動療法の実践が膝OAに起因する慢性疼痛の発生を予防する効果的な介入戦略の1つになり得ることを示す基礎データといえる.今後,効果的な運動条件や詳細な効果機序等について検討を進め,国民病ともいえる膝OAに起因する慢性疼痛の予防戦略の確立に寄与したい.
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