ロボットを用いた歩行訓練は、脳卒中発症後3か月以内の歩行不能例に推奨されているが、どのようなアシストを行うと訓練効果が高くなるかは明らかになっていない。膝伸展アシストは、麻痺した下肢機能に応じて調整されている可能性が示唆されたが、十分な検討には至らなかった。膝伸展アシストの増加は、過度な膝関節の屈曲、急激な膝関節の伸展を改善させる一方で、内側ホイップを増悪させる可能性が示唆された。本研究の学術的意義は、脳卒中の重度片麻痺患者に対する膝伸展アシストの影響を初めて報告したことである。訓練効果を高める要点のひとつである、膝伸展アシストの影響が明らかになった点については社会的意義が高いと考える。
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