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2019 年度 実施状況報告書

消化管知覚過敏を軽減させるニューラルフィードバック練習装置の開発

研究課題

研究課題/領域番号 19K11368
研究機関埼玉県立大学

研究代表者

小川 豊太 (濱口豊太)  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (80296186)

研究分担者 田山 淳  早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (10468324)
西郷 達雄  北海道医療大学, 心理科学部, 助教 (50622255)
鈴木 誠  東京家政大学, 健康科学部, 教授 (80554302)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード過敏性腸症候群 / リハビリテーション / 安静時脳波
研究実績の概要

当研究は, 過敏性腸症候群 (Irritable Bowel Syndrome: IBS) に存在するとされる安静時の脳領域間機能結合 (Default Mode Network: DMN) の異常を, 脳波により電磁的に解析し, IBS有症状者と無症状者の特徴的なDMNを内臓知覚の認識過程 (self-referential processes: SRP) として明らかにする. また, DMNを患者自身の力で調整できるようにする練習方法にDecoded Neural Feedback: DecNefがあり, 本研究はIBS症状を軽減させるDecNef練習装置の開発を行うことを目的としている.
2019年度は, IBS有症状者15例と無症状者15例を対象(全員女性, 20-22歳)に安静脳波を測定し, α・β帯域のパワースペクトラとそのDMNをIBS有症状者と無症状者とで全脳, 前頭部, 頭頂部, 後頭部のセグメントを作成して比較した. 解析はα・β帯域の値をSmirnov-grubbs testにより8例を除外し, IBS有症状者11例と無症状者11例を用いた.
その結果, α波においてIBS有症状者のDMNは無症状者よりも前頭部のセグメントで結合が低く, β波において高い傾向があった. これらのα・β帯域データをbootstrap法により1000倍に増幅し, 90%を教師データとしてSupport Vector Machine: SVMに機械学習させ, のこり10%をテストデータとしてclassifierの正診率を計算した. SVMのclassifierは81-91%の正診率が得られた.
2020年度はさらにサンプルを追加し, DecNef練習装置に搭載するAIの精度を高める予定であったが, 2020年3月より, COVID-19の感染予防のため, 被験者を用いた脳波測定を中止している. そのため, 今後の実験は感染症対策が進んで安全を確認してから再開することを予定している. また, 新たなデータが取得できない時期は, 過去に取得した脳波データを解析して, classifierの作成ならびにシミュレーションを行うように計画を変更する.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2019年度の脳波サンプルは30例を予定し, 測定は予定通り30例に行うことができた. しかし, このうち8例のデータが解析不能な外れ値を含んでおり, 統計から除外した. そのため, 予定した被験者よりもサンプル数が少なく, 予定よりもやや遅れを生じている. また, 2020年3月より, COVID-19の感染予防のため, 被験者を用いた脳波測定を中止している.

今後の研究の推進方策

COVID-19の感染予防のため, 被験者を用いた脳波測定を中止していることから, 現在取得したデータをbootstrap法を用いて増幅して機械学習のプロトコル検証を行う. また, 過去に取得した脳波データから重症者と軽症者を識別するclassifierを作成する計画を追加する.

次年度使用額が生じた理由

2019年度は 旧式のサポートベクターマシンでデータ処理を行ったため, 備品として購入予定であったPCを購入していない. 2020年度は脳波データから複数の因子を用いた機械学習とともに, deep learningを用いたartificial intelligenceの作成に挑む. そのため, 備品費(プログラミング用PC)が予定よりも増大する予定である.

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公開日: 2021-01-27  

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