研究課題/領域番号 |
19K11371
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
東條 美奈子 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (80327345)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心臓リハビリテーション / 加速度トレーニング / 血管内皮グリコカリックス / 血管内皮機能 |
研究実績の概要 |
血管内皮グリコカリックス(EC-GLX)は血管内皮細胞の増殖・分化・アポトーシス、細胞骨格、血栓形成、炎症制御、免疫などの様々な細胞表面~細胞内シグナル伝達の制御に関わる。それゆえ脆弱EC-GLX領域などを指標とすることで、様々な疾患のスクリーニングや効果的な介入を行なった場合の効果判定が可能になると期待されている。多疾患有病者である認知機能低下を伴う高齢心不全患者の増加抑制には、疾病管理に関する患者教育と身体活動量増加を目指した包括的リハ ビリテーションが有用である。本研究では、EC-GLX脆弱化領域を標的とした心血管病リスク評価と認知機能に関する検討を実施する。本研究では、EC-GLXを標的とする包括的リハビリテーションが認知症予防や心不全増悪予防に有効であるかを明らかにすることを目的としている。 今年度は包括的リハビリテーションの内容として、心血管病患者の身体能力や身体機能を詳細に評価するとともに、その結果に応じた疾病管理指導と運動指導を行い、その介入の前後での短期的および長期的評価としてEC-GLX評価を行う臨床研究を立案し、北里大学病院・医学部研究倫理審査委員会の承認を得た。現在は症例登録を増やしながら、包括的リハビリテーション介入を実施し、その評価を継続中である。 またEC-GLXを包括的リハビリテーションの評価判定指標とする際には、疾病管理指導の成果によって鋭敏にその効果が測定できる必要があるものの、日内変動が大きい測定方法については、測定時間や測定状況を大きく制限する必要が生じる。このためEC-GLX測定における、喫煙、食事、運動による急性効果と日内変動についても検討する必要があると考え、健常者を対象とした介入研究を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
通常リハビリ群と最適化リハビリ群の2群を設定するプロトコールとしたため、観察研究ではなく治療的介入研究として倫理審査を受ける必要があり、当初の予定よりも倫理研究審査委員会での承認までに時間を要した。しかしながら、病院スタッフの手厚い協力もあり、研究対象者のリクルートも順調に進み、これまでのところ予定通りのスケジュールで臨床研究は進行している。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのところ予定通りのスケジュールで臨床研究は進行してきたが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止措置を講じる必要性が出て来ており、次年度において北里大学病院内での臨床研究が継続できるかどうか危ぶまれている状況がある。感染拡大の状況に応じて刻々と変化せざるを得ない政府方針や大学の方針に沿って、研究継続の可否を判断していく必要があると考える。状況によっては、研究スケジュールや研究対象者の変更を考慮のうえ、研究課題を明らかにするための方向転換についても柔軟に検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
発注を予定していた消耗品の納品に時間がかかることが判明したため、次年度にあらためて発注することにいたしました。
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