血管内皮グリコカリックスを標的としたバイオマーカの探索は、認知機能低下を含めたフレイル状態にある高齢慢性心不全患者の心臓リハビリテーションのおけるスクリーニングや効果判定指標としての新たなバイオマーカ開発につながることが期待される。近年、敗血症やARDS、DICなどの重篤な疾患における血管内皮グリコカリックスの病態への関与が知られるようになったが、循環器病領域における研究は十分とは言えない。これらの詳細な検討は、循環器病発症・再発予防のための疾病管理としての心臓リハビリテーションの効果判定指標として有用である可能性が高く、患者のQOL向上や医療費削減の観点からも、さらなる研究が必要と考える。
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