研究課題/領域番号 |
19K11372
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松永 篤彦 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (00286387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 慢性腎臓病 / 血液透析 / 身体機能 / 疾病管理 / リハビリテーション |
研究実績の概要 |
【目的】我々がこれまで横断調査ならびに後ろ向き調査の成果を踏まえて考案した、血液透析患者に対する身体機能評価に基づいた 管理システムを多施設に導入するとともに、その後の心身機能、日常生活活動(ADL)および生命予後に与える影響を前向きに調査して(前向 きコホート研究)、本管理システムの有用性を検証することにある。 【当該年度の計画と実績の概要】 2019年度は上記の目的にそって、我々がこれまでに報告した横断調査ならびに後ろ向き調査の中から、本研究計画にある前向き調査に取り入れる評価項目を選別し、多施設で実施可能の可否を含めて検討した。また、検討した内容は、関連する学会の学術集会を通して、シンポジウム等で公表し、他施設の現状を踏まえて、情報交換することにした。さらに、一部、上記、これまでの横断研究等をもとに、原著論文ならびに著書を掲載することにした。 なお、シンポジウム等で公にした主な学術集会は、日本透析医学会、日本腎臓リハビリテーション学会が主催した学術集会とした。さらに、協力していただける施設の選定と依頼方法を併せて検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前向き研究を実施できる施設の選定と、研究倫理等の進め方について調整に時間がかかり、少し遅れが生じている。なお、2020年の1月以降は、新型コロナウイルス感染拡大防止とその感染の影響による病院施設の負担軽減がもとめられているため、さらに遅れる可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
1)対象(人数、施設数、除外基準):クリニック等の外来施設において、安定した血液透析治療を継続して受けている患者を対象とする。対象数は現状では、3から5施設の承諾を得る予定。除外基準は40歳未満、透析導入後1年未満、および身体機能ならびにパフォーマンスステスト自体の実施が困難な者とする。また、本管理システム導入期の2年の間に入院イベントを経験した者は本研究の解析から除外するこ とにする。 2)研究デザイン:前向きコホート研究とし、観察期間は最長で5年間とする。その間、baselineからの2年間は本管理システム導入期として、 その後は本システムを導入せず、フォローアップ期間とする。 3)身体機能評価に基づいた管理システム:我々の過去の後ろ向き研究成果から身体機能ならびに日常生活活動(ADL)に関する指標とその目標 値を最大歩行速度(≧90m/min)、下肢筋力(体重比≧40%)おおびADL difficulty(不変)に定めた。この管理システムのフローは原則と して年間2回(半年に1回)とする。なお、これらの管理目標値に達している者は特別な指導は実施せず、目標に達していない者は原因探索ならびに運動指導を実施することにする。 4)評価・測定項目:基本情報、血液生化学検査、栄養状態、身体機能等、ADL、および精神機能の評価を実施する。また、 本システム導入後は本研究観察期間内の心血管イベント発生率と死亡率を評価することにする。 2020年の1月以降は、新型コロナウイルス感染拡大防止とその感染の影響による病院施設の負担軽減がもとめられているため、本研究に関する承諾と評価(データ採取)が遅れる可能性がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、多施設研究を実施する計画であるが、現在、先んじてデータ採取が進んでいる施設は、既存の機器で評価を実施することができており、物品等を揃える費用はかかっていない。また、人件費等も必要ない状況です。 今後は、新たに協力していだける施設が増えた段階で、物品や人件費等が大きく発生することが予想されるため、次年度の使用に組み混んでいきたい。
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