研究課題/領域番号 |
19K11374
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
横山 美帆 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60407301)
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研究分担者 |
島田 和典 順天堂大学, 大学院医学研究科, 客員准教授 (60327814)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | フレイル / 心大血管疾患患者 / 心臓リハビリテーション / 基本チェックリスト / 不安状態 |
研究実績の概要 |
本年度は、身体機能と不安レベルに対する回復期心臓リハビリテーション(CR)の効果について、フレイルの有無別に検討を行った。2016年2月~2017年8月に順天堂大学医学部附属順天堂医院の回復期CRに参加し、CR終了時に評価が可能であった137例(平均年齢66±13歳、男性71%)を対象とした。CRの開始時に、基本チェックリスト(KCL)と状態・特性不安尺度(STAI)を調査した。KCLに従い、フレイル群(n = 34、25%)、プレフレイル群(n = 40、29%)、および非フレイル群(n = 63、46%)の3群に分割し開始時と終了時の身体機能(身体組成、6分間歩行距離、握力)、不安レベル(STAI)について比較検討を行った。結果は、3群間で年齢と性別に有意差は認めなかった。プレフレイル群とフレイル群では、非フレイル群と比較し除脂肪量、老人性栄養リスク指数(GNRI)と6分間歩行距離が有意に低値であった(全ての項目でP < 0.05)。さらにフレイル群では、非フレイル群と比較しヘモグロビン値、推定糸球体濾過量と握力が有意に低値であった(全ての項目でP < 0.05)。非フレイル群と比較して、状態不安はプレフレイル群とフレイル群で有意に高値であり、特性不安もプレフレイル群とフレイル群で有意に高値であった(全ての項目でP < 0.05)。回復期CR終了時において、3群とも6分間歩行距離は有意な改善を認めた(P < 0.01)。状態不安は、非フレイル群とプレフレイル群で有意な改善を示し、特性不安は非フレイル群のみ改善を認めた。フレイル群では不安レベルの改善を認めなかった。回復期CRに参加したフレイル患者において、歩行能力の改善は認めるものの不安レベルの有意な改善は認めなかった。フレイルを合併する患者においては、特に精神・心理面に対するアプローチの重要性も示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
心臓リハビリテーションの実施、および効果に関しては適切に実施が出来ているが、コロナ禍で画像診断の実施が遅れている。来年度は画像診断が実施できるよう対策していく。
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今後の研究の推進方策 |
画像診断の実施に関しては、来年度は週1回の運用が可能となり実績を重ねていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
画像評価が予定実施数を下回り、次年度使用額が生じた。 来年度は、週1回画像評価を実施し検査費として使用計画を立案している。
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