腸内細菌層(GM)の組成と痛みの感受性の関係を健常者を対象に調べた。男性ではバクテロイデス門が少なくファミキューテス門を多く保菌している方が痛みの感受性が低かった。一方、女性ではGMの多様性が高いほど痛みの感受性が低く、GM保菌率と痛みの関係性は明らかではなかった。また、健常者においては痛み知覚、摂取栄養素、GM組成の3者の関係性は明らかにならなかった。運動による鎮痛(EIH)とGM組成の関係では、運動により酪酸産生菌、ビフィズス菌の保菌率が減少した人は、EIHが生じやすい可能性が示唆された。また、運動介入前のアクティノバクテリア門の保菌率が低い人はEIH効果が得られやすい可能性が示唆された。
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