研究課題/領域番号 |
19K11382
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 英明 産業医科大学, 医学部, 助教 (30609201)
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研究分担者 |
松嶋 康之 産業医科大学, 医学部, 准教授 (10412660)
佐伯 覚 産業医科大学, 医学部, 教授 (20269070)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳卒中後片麻痺 / 脳由来神経栄養因子 / 前駆体型 / 成熟型 / 脳由来神経栄養因子遺伝子多型 / 経頭蓋直流電気刺激 / 組織プラスミノーゲン活性化因 / マトリックスメタプロテアーゼ |
研究実績の概要 |
当院で実施した予備的研究では18例の亜急性期脳卒中症例での検討において、脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子多型に関しては、遺伝子多型ありは6例、遺伝子多型なしは12例であった。遺伝子多型ありの割合が33.3%と日本人の割合の報告(2-3割程度)にある程度合致する結果であった。 4週間の介入期間で上肢麻痺の改善に遺伝子多型の有無による明らかな差は認めなかった。また血中BDNF濃度に関しては、4週間の介入前後で一貫した変化は認めず、遺伝子多型の有無での変化の差も認めない結果であった。 現在、脳卒中後片麻痺の改善と生化学的因子との関連についての研究について本学臨床研究審査委員会に申請中であり、承認され次第亜急性期30症例と慢性期30症例を目標に介入研究を開始する予定としている。研究計画では亜急性期30例については3週間の観察期間での前駆体型BDNFおよび成熟型BDNFおよび変換酵素である組織プラスミノーゲン活性化因子(tPA)、マトリックスメタプロテアーゼ(MMP)-9の血中濃度を測定し、上下肢麻痺レベルの改善の変化をt検定で検討する。またBDNF遺伝子多型の有無との改善の差も検討する。慢性期に関しては、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)群とコントロール群にランダムに分け、亜急性期と同様に前駆体型BDNFおよび成熟型BDNFおよび変換酵素であるtPA、MMP-9の血中濃度を測定し、変化をt検定で検討することにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備的研究を実施し、脳卒中後片麻痺と脳由来神経栄養因子および遺伝子多型との関連については概要を把握できたと考えている。 その結果を踏まえて研究計画書を作成し倫理員会に提出した。4月初旬の本学臨床研究審査委員会で承認され次第、介入研究を開始できると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当科に入院した亜急性期および慢性期の脳卒中後片麻痺症例に対して介入研究を予定している。現在本学倫理委員会に研究計画書を提出しており、4月初旬の本学臨床研究審査委員会で承認見込みである。承認され次第、研究計画書の内容に沿って亜急性期および慢性期ともに介入研究を開始予定としている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画の作成と臨床研究審査委員会の承認が済んでいないため、予定していた物品の購入ができなかったことが原因である。承認され次第、経頭蓋直流電気刺激の機器購入等を予定している。また終了時には検体測定および遺伝子解析に使用する予定である。
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