研究課題/領域番号 |
19K11386
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
高見 彰淑 弘前大学, 保健学研究科, 准教授 (80610691)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脳卒中 / 仮想現実 / 速度誤認識 / 後進歩行 |
研究実績の概要 |
仮想現実にて速度誤認識を形成させた際の前進及び後進歩行の脳血流量変化に関する検討として、実際の歩行速度と事前に提供された仮想現実(Virtual Reality;以下VR)の歩行映像に、意図的に速度差をつけ、速度の誤認識を形成させた際の脳活動への影響を調査した。対象は健常若年者20名。脳血流量の計測には光イメージング脳機能測定装置を用いた。結果、後進歩行条件は前進歩行条件と比較して、VR映像視聴前、視聴中の酸素化ヘモグロビン値に有意差は認められなかった。VR映像視聴後の歩行時酸素化ヘモグロビン値の変化量では後進歩行でのみ脳血流量が増加し、特に右前頭前野において有意差が認められた(p=0.04) 成果としてJournal of Physical Therapy Scienceに投稿し掲載された。 また、脳卒中に対するVirtual Reality下の疑似的錯誤を使用した歩行映像が実際の歩行に及ぼす即時的効果として、脳卒中患者に対し、実測での歩行速度より速い歩行映像をVRで視聴させ、錯誤を生じさせることでの歩行への影響を検証した。対象は脳卒中患者12名。解析は、介入前後の歩幅・歩行率・歩行速度を比較検討した。結果は、快適歩行では介入前後で、歩行率が有意に向上した(p<0.05)。歩行速度、歩幅は差がなかった。また、最大歩行速度も同様に差を認めなかった。成果としてJournal of Physical Therapy Scienceに投稿し掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の最終段階は、VRを視聴させ歩行速度誤認識形成後のトレッドミル歩行練習の効果検証だが、データ収集先の病院で、新型コロナウイルスのため理学療法訓練の中断が頻回にあり、本研究も含め進捗状況が芳しくないため。
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今後の研究の推進方策 |
脳卒中患者に行った、VRを用いた速度誤認識の脳血流量変化の論文を作成し、論文投稿する。また、本実験としているVRを用いた速度誤認識を形成させた後の歩行練習効果について、現在データを収集中であり完了後、論文投稿する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2021年度論分化した成果物を2021年度中に投稿予定だったが、データ収集が遅れたため、近日中に行う見込み。また、現在データ収集中の無作為化比較対照試験の結果を論分化する際、英語校閲等に使用予定である。
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