研究課題/領域番号 |
19K11392
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
高野 吉朗 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 准教授 (20439574)
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研究分担者 |
濱地 望 国際医療福祉大学, 福岡保健医療学部, 助手 (10807978)
橋田 竜騎 久留米大学, 医学部, 助教 (40754841)
松瀬 博夫 久留米大学, 医学部, 准教授 (70461465)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 腰痛 / 疼痛閾値 / 電気刺激 / 有酸素運動 |
研究実績の概要 |
1)腰痛者67名および非腰痛者78名の合計145名(平均年齢21歳)を対象に、全身7か所の末梢圧痛閾値を測定した。加えて、心理面評価(うつ性自己評価尺度SDS、腰痛者のADL、QOL評価に特化したRDQ)、身体機能評価(長座体前屈、握力、BMI)を測定した。各2群を統計的に比較した結果、圧痛閾値では慢性腰痛者は非腰痛者に比べ低値傾向にあり、下腿三頭筋、左肩甲骨上角と脊柱の中点、左第2指の爪、左第2中手骨、左第1背側骨間筋、左第1足趾の爪の6か所にて有意差を認めた。SDSとRDQは腰痛者が低値を示し有意差を認めた。身体機能のBMIは、腰痛者が高値を示し有意差を認めた。この結果より、疼痛者と非疼痛者の各位置における疼痛閾値の平均値が明らかになった。 2)腰痛者8名を対象に自転車エルゴメータ運動を週2回8週間行った。運動負荷強度の設定は、有酸素運動を20分間継続できるよう、AT時の心拍数およびBorg指数12~13を指標とした。介入前後と介入後8週間後にて実験1同様に末梢圧痛閾値と心理面評価、身体機能評価を行った。介入前後の評価は反復測定一元配置分散分析を用い検定を行った。圧痛閾値は、下腿三頭筋と肩甲骨上角と脊柱の中点、左第1背側骨間筋、左第1足趾の爪の4か所にて上昇傾向を認めた。その他の評価では、恐怖思考回路の評価尺度のみ有意な改善を認めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当該年度において、上述の実験1は予定通りであったが、実験2においては当初計画の5割程度に留まった。有酸素運動の単独実験はできたが、他に予定していた筋力訓練と電気刺激療法が行えなかった。理由は、実施予定時期の2~3月末において、新型インフルエンザ感染により自粛したからである。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は有酸素運動の運動強度を軽強度と高強度に分け長期に運動介入を行い、圧痛閾値を評価する。同一対象者群に対し初めに軽強度(最大酸素摂取量40%程度)の自転車エルゴメータ運動を8週間行い前後の疼痛閾値を測定する。その4週間後、高強度(最大酸素摂取量80%程度)で同様の運動と評価を行い、比較検討する。加えて、低周波電気刺激機器を用いた電気刺激療法の併用効果の実験も行う。その後に、腰痛程度の層別化を図り、同様の運動療法の介入実験を行い、痛みの程度に対する運動量と内容の定量化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由は2つある。購入予定であった1物品が当初予算と変更が生じた為に購入を見合わせた。2つ目は、予定実験が行えず被検者への謝金に使えなかった為である。
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