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2019 年度 実施状況報告書

骨粗鬆症性椎体骨折患者の後弯変形・2次骨折・慢性腰痛予防プロトコルの確立

研究課題

研究課題/領域番号 19K11397
研究機関新潟医療福祉大学

研究代表者

神田 賢  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 助教 (70780659)

研究分担者 佐藤 成登志  新潟医療福祉大学, リハビリテーション学部, 教授 (00440470)
北村 拓也  新潟リハビリテーション大学(大学院), 医療学部, 助教 (60769727)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
キーワード高齢者脊柱変形 / 坐位伸展エクササイズ / 疼痛 / 歩行機能 / 血流動態
研究実績の概要

本研究の目的は,骨粗鬆症性椎体骨折患者に対して,独自に考案した背部筋エクササイズと体幹装具の効果検証を行うこと,後弯変形・2次骨折・慢性腰痛予防プロトコル確立への一助とすることである.
2019年度は,骨粗鬆症患者を含む慢性腰痛を有する高齢者脊柱変形患者に対する坐位伸展エクササイズなどの運動療法効果の検証を行った.結果,骨粗鬆症患者を含む慢性腰痛を有する高齢者脊柱変形患者に対しての,坐位伸展エクササイズなどの3か月間の運動療法の有用性,特に痛みと歩行持久力への効果が明らかとなった.また,歩行機能障害および社会生活障害が,歩行機能および疼痛と強い関連があることが明らかとなった.さらに,健常成人における座位・立位時の体幹屈曲および伸展時の腰部多裂筋の筋血流動態の変化に関しても検証を行った.結果,座位・立位共に屈曲時では血流が減少し,伸展時では血流が増加することが明らかとなった.また,同様の検証を腰痛を有する成人にも実施した.測定は終了しており,現在解析を行っている.
以上で明らかにしたことは,論文投稿および専門家による学会での発表を行った.また,研修会・講演会等でも,受講者や参加者に提供を行った.
2020年度は,トランクソリューションの健常および腰痛を有する成人での安全性・有効性を検証する予定である.また,2019年度で明らかにした,異なる肢位や姿勢での血流動態の変化を,骨粗鬆症患者を含む慢性腰痛を有する高齢者脊柱患者にて検証を行う予定である.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は,骨粗鬆症性椎体骨折患者に対して,独自に考案した背部筋エクササイズと体幹装具の効果検証を行うこと,後弯変形・2次骨折・慢性腰痛予防プロトコル確立への一助とすることである.
2019年度は,椎体骨折患者に対する坐位伸展エクササイズおよびトランクソリューションの安全性および実行可能性の検証を行う予定を立てていた.現在,骨粗鬆症患者を含む慢性腰痛を有する高齢者脊柱変形患者に対する坐位伸展エクササイズなどの運動療法効果の検証を行い,3か月間の運動療法の有用性,特に痛みの改善と歩行持久力・歩行機能の改善を明らかにした.また,歩行機能障害および社会生活障害が,歩行機能および疼痛と強い関連があることを明らかとした.さらに,筋持久力および歩行パフォーマンス改善の鍵となる筋血流動態に関しても検証を健常成人に対し行った.結果,腰部多裂筋の筋血流が,座位・立位共に屈曲時では減少し,伸展時では増加することを明らかとした.また,同様の検証を腰痛を有する成人にも実施し,現在解析を行っている.
以上で明らかにしたことは,論文投稿および専門家による学会での発表を行い,研修会・講演会等でも,受講者や参加者に提供を行っている.

今後の研究の推進方策

今後は,トランクソリューションの健常および腰痛を有する成人での安全性・有効性を検証する予定である.その後,骨粗鬆症患者を含む慢性腰痛を有する高齢者脊柱変形患者に対し,安全性および有効性の検証を始める.また,2019年度で明らかにした,異なる肢位や姿勢での血流動態の変化を,骨粗鬆症患者を含む慢性腰痛を有する高齢者脊柱患者にて検証を行う予定である.
しかしながら,現在のコロナウイルス感染拡大の影響も受けることが予想されるため,社会状況を鑑みながら柔軟に対応をしていく予定である.

次年度使用額が生じた理由

初年度に計上していたトランクソリューション購入費においては,2019年度は安全性および実行可能性の検証に充てていたため,予定の数量より少ない購入数であった.また,欧入予定であった徒手筋力計においては,共同研究者が所有しているものを利用したため,初年度では購入しなかったが,次年度以降購入を予定している.さらに,計上していた被検者謝金は,安全性および実行可能性の検証を申請者所属の大学学生で行ったため,予定金額より少ない金額での実施が可能であった.今後対象者を高齢者脊柱変形患者で行う予定であり,その際には予定している金額が見込まれる.

  • 研究成果

    (15件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件)

  • [雑誌論文] Factors related to the quality of life of adult patients with chronic low back pain.2020

    • 著者名/発表者名
      Takuya Kitamura, Masaru Kanda, Naritoshi Sato, Hideaki Onishi, Kei Watanabe
    • 雑誌名

      Niigata Journal of Health and Walfare

      巻: 19 ページ: 155-162

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 若年者および高齢者女性における体幹筋と大腰筋の筋厚および筋輝度の比較2020

    • 著者名/発表者名
      若菜翔哉,北村拓也, 神田賢,佐藤成登志
    • 雑誌名

      理学療法科学

      巻: 35 ページ: 245-249

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 高齢者脊柱変形に対する運動療法2019

    • 著者名/発表者名
      佐藤成登志,神田賢, 北村拓也,渡辺慶, 山本智章
    • 雑誌名

      ペインクリニック

      巻: 40 ページ: 194-202

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The differences between hemiplegic patients and healthy subjects in trunk muscles2019

    • 著者名/発表者名
      Takuya Kitamura, Masaru Kanda, Naritoshi Sato,Hideaki Onishi
    • 雑誌名

      Niigata Journal of Health and Walfare

      巻: 19 ページ: 37-44

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 若年女性における腹横筋収縮が骨盤底筋と腹横筋におよぼす影響.-超音波画像を用いた検討-2019

    • 著者名/発表者名
      井出愛実,神田賢,北村拓也,古西勇,高野義隆,立石学,佐藤成登志
    • 雑誌名

      理学療法新潟

      巻: 22 ページ: 3-8

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 地域在住高齢者女性の慢性肩こり有訴に影響を及ぼす因子-「本態性肩こり」における頸胸椎アライメント,頸部屈筋群持久力,頸部機能に着目して-2019

    • 著者名/発表者名
      神田賢,北村拓也,金子千恵,井出愛美,古西勇,渡辺慶,佐藤成登志
    • 雑誌名

      理学療法学

      巻: 46 ページ: 407-416

    • 査読あり
  • [学会発表] Intramuscular circulation of lumbar multifidus in different trunk positions in standing2020

    • 著者名/発表者名
      Masaru Kanda, Takuya Kitamura, Isamu Konishi, Yusuke Suzuki, Kei Watanabe, Naritoshi Sato
    • 学会等名
      46th ISSLS
    • 国際学会
  • [学会発表] Factors related to physical activity QOL in adult spinal patients with spinal deformity and chronic low back pain2020

    • 著者名/発表者名
      Takuya kitamura, Masaru Kanda, Naritoshi sato, Kei watanabe
    • 学会等名
      46th ISSLS
    • 国際学会
  • [学会発表] Intramuscular oxygenation of lumbar multifidus in different trunk positions in sitting2019

    • 著者名/発表者名
      Naritoshi Sato, Masaru Kanda, Takuya Kitamura, Kei Watanabe
    • 学会等名
      45th ISSLS
    • 国際学会
  • [学会発表] 異なる座位肢位における腰部多裂筋の組織血流量の経時的変化について2019

    • 著者名/発表者名
      神田賢,北村拓也,渡辺慶,佐藤成登志
    • 学会等名
      第27回日本腰痛学会
  • [学会発表] 若年および高齢女性の肩こり症状や罹患歴がどのように頚部機能に影響を与えるか2019

    • 著者名/発表者名
      神田賢,北村拓也,井出愛実,古西勇,渡辺慶,佐藤成登志
    • 学会等名
      第12回日本運動器疼痛学会
  • [学会発表] 異なる動作が腰部多裂筋の筋血流に与える影響2019

    • 著者名/発表者名
      神田賢,北村拓也,古西勇,鈴木祐介,渡辺慶,佐藤成登志
    • 学会等名
      第1回新潟県リハビリテーション専門職学術大会
  • [学会発表] 慢性肩こりに対する定量的評価確立の検討:地域在住高齢者女性の肩こり有訴に影響を及ぼす因子に着目して2019

    • 著者名/発表者名
      神田賢,北村拓也,津布子夏実,郷津良太,多田葉月,鈴木祐介,古西勇,佐藤成登志
    • 学会等名
      第5回予防理学療法学会
  • [学会発表] 慢性腰痛を有する高齢脊柱変形患者に対する運動療法効果2019

    • 著者名/発表者名
      北村拓也,神田賢, 佐藤成登志,渡辺慶
    • 学会等名
      第27回日本腰痛学会
  • [学会発表] 高度脊柱変形を有する慢性腰痛患者における歩行能力向上に関連する要因2019

    • 著者名/発表者名
      北村拓也,神田賢, 佐藤成登志,渡辺慶
    • 学会等名
      第12回日本運動器疼痛学会

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公開日: 2021-01-27  

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