研究課題/領域番号 |
19K11402
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研究機関 | 大阪河崎リハビリテーション大学 |
研究代表者 |
芦塚 あおい 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 講師 (50761087)
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研究分担者 |
武田 雅俊 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 教授 (00179649)
鐘本 英輝 大阪河崎リハビリテーション大学, リハビリテーション学部, 客員准教授 (20838932)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 認知症 / 睡眠 / BPSD |
研究実績の概要 |
認知症の症状のうち、中核症状に伴う多彩な症状は、BPSD(Behavioral and psychological symptoms of dementia;行動・心理症状)と呼ばれ、臨床上や介護の側面においても問題となっている。 近年、そのような症状のリスク因子としての睡眠が注目されている。認知症患者は高率で睡眠障害を呈しており、そのほとんどで睡眠導入剤が処方され、服薬率が高いことが知られている。これまでの睡眠導入剤としては、ベンゾジアゼピン系睡眠導入剤が使用されていたが、それにかわるオレキシン受容体拮抗薬(スボレキサント)が、認知症患者にも広く使用されるようになっており、今後も幅広く使用されると予測される。スボレキサントは質の良い睡眠を助けるとされているが、このような良質な睡眠パターンが認知症患者の日中の生活や認知機能にどのように影響を及ぼすかを調べた。 認知症の入院患者について、スボレキサントを服用していない期間と、服用後について臨床評価を目的とした神経心理学的検査として以下の評価を行った。認知機能検査としてACE-Ⅲを、精神状態評価としてN式老年者用精神状態尺度(NMスケール)を、日常生活動作の評価としてIADLを実施した。重症度評価にはClinical Dementia Rating(以下CDR) を実施した。最終年度は被験者3名のうち2名は途中で隔離対応等となり1名のデータのみ取得した。 周囲の者が評価するNMスケール、IADL、CDRの評価点をスボレキサント服用前後で比較すると、有意差はなかった。また、認知機能検査であるACE-Ⅲにおいても差は認められなかった。 これまでの結果、スボレキサント服用後に日中の生活や認知機能に変化は認められなかった。スボレキサント服用の期間、神経心理検査の鋭敏さ、被験者数の検討を行い、研究を継続する。
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