研究課題/領域番号 |
19K11410
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
工藤 大輔 秋田大学, 医学部附属病院, 医員 (90722893)
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研究分担者 |
宮腰 尚久 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (90302273)
本郷 道生 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (50375250)
粕川 雄司 秋田大学, 医学部附属病院, 講師 (60375285)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 脊椎矢状面アライメント / 等尺性背筋収縮筋力 |
研究実績の概要 |
整形外科クリニック骨粗鬆症外来に通院中の椎体骨折のない女性患者における四肢、体幹筋量と背筋力が脊椎矢状面アライメントに与える影響について検討した。202名の女性患者(年齢中央値66.9歳)のうち、立位全脊椎X線により、pelvic incidence (PI)-lumbar lordosis (LL) (10°以上)、sagittal vertical axis (4 cm以上)、pelvic tilt (20°以上)いずれかに当てはまるものをアライメント不良とした。四肢、体幹筋量はdual-energy X-ray absorptiometryで測定した筋量を身長で補正した。背筋力は、腹臥位での等尺性背筋収縮筋力を測定した。脊椎矢状面正常アライメント群とアライメント不良群の比較では、アライメント不良群において等尺性背筋収縮筋力が有意に低かった(P < 0.001)。また多変量解析においても等尺性背筋収縮筋力が脊椎矢状面アライメント不良に対する優位な関連因子であった(P < 0.001)。いっぽう、四肢、体幹筋量はいずれも関連がなかった。本研究結果は、Kudo D, et al. Osteoporosis and Sarcopenia. 2021;7(1):36-41.にて公表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
手術を要する後弯症患者と比較対照として手術を要する後弯のない脊椎疾患(外傷や腫瘍など)患者を対象に、通常の手術が全身麻酔下に行われ、術野展開時においてやむを得ず切除する傍脊柱筋を検体として使用することとし、研究にともなう新たな侵襲を避けることとしている。近年、低侵襲な手術手技が一般的となり、当初計画していた生化学的、病理学的検討が困難となった。また術前の運動介入による効果も痛みのため困難であったり、手術の時期も不定であったりするため研究に遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
可能な限り症例を増やすことで対応するが、倫理的配慮から、あくまで通常の診療における範囲内で研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
組織学的、生化学的検討が可能な手術症例が少なく、そのため保存療法を行っている患者を対象に、四肢・体幹筋量と背筋力、脊椎矢状面アライメントの関連についての検討を先行して行い、学術雑誌に報告した(Kudo D, et al. Osteoporosis and Sarcopenia. 2021;7(1):36-41.)。本研究では、既存の機器のみで調査が可能であったため、次年度使用額が生じた。 今後、対象症例のエントリーにともない、機器購入、検査費用などのため助成金を使用する予定です。
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