研究課題/領域番号 |
19K11414
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
池上 章太 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 講師 (70723071)
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研究分担者 |
高橋 淳 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (60345741)
小関 道彦 信州大学, 学術研究院繊維学系, 教授 (50334503)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歩行バランス評価 |
研究実績の概要 |
本研究では「加齢に伴う脊柱アライメント悪化は歩行バランスの不良と相関する」という仮説を立て、無線式体幹2点歩行動揺計を用いた低コストかつ簡便な歩行バランス評価システムを確立するという目標を立てた。最終的には一般住民に対する転倒予防運動指導をする際の介入の効率化、指導結果の可視化に結びつけることを狙っている。ただし、動的歩行バランス評価については確立した指標が存在せず、一般住民における正常者と脊柱アライメント不良者で何が異なるのかについては現状では明らかではない。そもそも客観的評価をするに値する計測が可能なのかもわかっていない。そこで、平成31年度は脊柱アライメント不良者における計測精度試験を開始した。計測精度を明らかにすることで、計測そのものの妥当性と、値の被検者間差、被検者内変化の臨床的意義を見出すことがこの段階での目的になる。
平成31年度内では手術予定有訴脊柱アライメント不良者としては当院で手術のために入院した患者の術前歩行評価として合計8名に計測を行った。また、対象としての正常者は脊柱アライメント不良によると考えられる症状がない一般住民ボランティア16名について計測を行った。全員に対して体幹2点歩行動揺計によるバランス測定を3回ずつ行なった。今後の予定としては、脊柱アライメント不良者、正常者ともに15名を超えたところで測定によって得られる複数パラメータについてそれぞれ変動係数を計算し、各群の間でその比較を行うことになる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
正常者の計測は目標の15名に達した。ただし脊柱アライメント不良者の計測は15名に達していない。計画としては2年で目標の人数に達する予定であるので概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
計測が目標人数に達した時点で解析を行う。また、脊柱アライメント不良者の矯正手術後1年での計測も行い、手術によるアライメント変化に伴い動的歩行バランスが変化するのかどうかを検討する予定である。一般住民検診についても協力自治体と計画を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
概ね計画通りに使用しているが、必要物品の購入額が申請より少なかったことが次年度使用額となっている。購入が必要な物品は今後も出るので次年度使用額をそれに充てたい。具体的には記憶装置、入力装置、ディスプレイ、歩行解析システムの消耗品費である。
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