研究課題/領域番号 |
19K11420
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
徳永 大作 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90343409)
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研究分担者 |
遠山 将吾 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (00388183)
菱川 法和 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10943780)
中川 周士 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30643382)
沢田 光思郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40460555)
新井 祐志 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50347449)
大橋 鈴世 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50440889)
三上 靖夫 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80360030)
相良 亜木子 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (10767916) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | サルコペニア / 身体活動量 / 高齢者 / 関節疾患 / 麻痺性疾患 / 炎症性疾患 |
研究実績の概要 |
超高齢化をすでに迎えた日本社会では、疾病を予防し、健康長寿に過ごせる仕組み作りが必要である。とりわけリハビリテーション医療の分野では、高齢者の予防医療の一環として、これまでの医療(病院や診療所)中心の仕組みから介護(日常生活)へ重点を移している。一方、高齢者では加齢による骨格筋量の減少(1次性サルコペニア)に加えて、関節疾患や炎症性疾患疾患、麻痺性疾患などの併発で、骨格筋量の減少がより深刻な状況にいたる(2次性サルコペニア)ことが多い。これらの患者では、身体活動量が減少し、要介護にいたるといった悪循環をきたす。骨格筋量の増加には、高い強度の運動が必須だが、高齢者では耐容能の低下や骨脆弱性のため、負荷量に問題がある。この問題を解決するため、予防医療の観点からは、可能な限り高い日常生活の活動量を保つことが重要であり、それは疾患の再発予防や要介護からの脱却の一助となる。すなわち、日常生活の活動量をどうすれば最大化できるかを考えることが本研究の目的である。 本年度(3年目)は、一昨年度から継続されてきていた、生活期における炎症性疾患患者の身体活動に関する研究では、解析をすすめた。その結果、足底装具を用いた治療が、炎症性疾患患者において身体活動の賦活効果とサルコペニアの予防効果を持つことが解明された。これらの結果は国際英文誌に受理され、報告年度中に公表された。またサブ解析をすすめ、国内主要学会および国際学会にて公表した。このうち身体活動の賦活効果が生活の質におよぼす影響においては、新たに国際英文誌に投稿をおこなった。活動に着目した新たな賦活法の開発に関しては、昨年度、倫理審査委員会の承認をうけ、データ収集を開始した。昨年度の他疾患患者におけるデータ収集がやや遅れていた問題には、多施設共同研究に規模を拡大するなど、新たに研究環境の構築を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
健常高齢者および炎症性疾患患者のデータ収集は継続し行えた。しかしながら昨年度より続く、新型コロナウィルス感染症などの影響により、他疾患患者のエントリー数が減少していた問題に対し、府内の関連施設へ活動量計を導入するなど、新たに研究環境の構築を行った。これによりエントリー数は増加してきたものの、予定していた研究期間の1年間、延長承認申請を行うなどの措置をし対応した。
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今後の研究の推進方策 |
多施設共同研究に規模を拡大したため、引き続き各疾患患者における身体活動のデータ収集を行う予定である。また活動に着目した新たな賦活法の開発に関しては、炎症性疾患患者を中心に安全性や忍容性を確認した後、有効性の検証を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
現地開催の学会が引き続き少なく、予定していた旅費が支出されなかったため、次年度へ使用額が生じた。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響により新規エントリー数が依然減少していたため、多施設へ研究環境を拡大した。この環境を充実させるため、必要物品に支出を予定している。
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