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2020 年度 実施状況報告書

認知症高齢者における重症度・居住形態別ADLリハビリテーション戦略の構築

研究課題

研究課題/領域番号 19K11421
研究機関大阪府立大学

研究代表者

田中 寛之  大阪府立大学, 総合リハビリテーション学研究科, 講師 (10800477)

研究分担者 福原 啓太  奈良学園大学, 保健医療学部, 専任講師 (60831005)
研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
キーワード認知症 / ADL / 認知機能 / BPSD
研究実績の概要

本研究の目的は, 認知症者における重症度・居住形態別の日常生活 (ADL)障害の要因を明らかにし, 効果的なリハビリテーション戦略を構築することである. R2年度は, 昨年度からの継続で, 重症度別・居住形態別のADL障害およびリハビリテーション介入戦略に関連する国内外の知見をさらにレビューし, これまでの知見の論文発表と病院および在宅での予備的研究を行なった. まず, 重症度別・居住形態別のADL障害について, 我々はこれまでからのデータをもとに中等度・重度者のADL障害の要因について調査結果を報告した(Tanaka, et al., 2019, Ishimaru and Tanaka et al., 2020). 結果として, 中等度・重度者においては認知機能障害に加えて, agitation, 栄養障害, 睡眠覚醒リズム障害(日中の活動量・質の乏しさ)がADL障害に影響を及ぼしていることをを明らかにした. 次に, リハビリテーション介入戦略においては, 軽度から中等度の初期段階で有効とされている目標指向的・工程分析に基づくADL改善プログラムの方法を踏襲・修正した介入戦略を立案し, 在宅での中等度の初期段階の一事例に対して予備的に行なった. 結果としては, 本人・家族の目標として掲げられたADLが改善し, 認知機能が維持されたことを確認できた. 中等度から重度段階において, 効果的なADL障害の介入法を明らかにするための調査を実施した. 方法として, 40名の重度認知症者の1年間経過観察を行い, どのようなリハビリテーション戦略が有効かを分析した. 結果として, 脳血管性認知症に対しては, 主に血管内治療のための薬物療法と活動性向上や食事能力の改善を目的とする介入を併用することが重要であることが考えられた (Tanaka, et al., in press).

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

COVID-19の影響によりこの一年間研究協力施設への立ち入りが困難で、研究参加のための同意書を得ることすらも困難な状況が続いた。また、研究協力者においても研究会議に参加ができない状況も続き、進捗としては遅れているといわざるをえない。今年度は、文献レビューや論文発表は行うことに努めた。

今後の研究の推進方策

今後は, COVID-19の感染拡大状況に合わせて、基準となる健常者データをさらに収集し、各協力病院・施設における介入戦略構築のためのデー収集をさらに進める。具体的には、これまでに明らかになった介入戦略をさらに洗練化しその介入内容の妥当性を検討し、予備的な介入研究を実施したい。

次年度使用額が生じた理由

COVID-19の影響により学会への旅費や、研究設備費への投資、協力謝金の支払いなどがができなかった。R3年度は、これらの残額をこれまでの予定に合わせて使用を検討している。しかし、COVID-19の影響で不透明な状況が続く。

  • 研究成果

    (14件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (5件) 図書 (2件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] Department of Medicine and Therapeutics/The Chinese University of Hong Kong(その他の国・地域)

    • 国名
      その他の国・地域
    • 外国機関名
      Department of Medicine and Therapeutics/The Chinese University of Hong Kong
  • [雑誌論文] Possibility of Cognitive improvement in Severe Dementia: A Case Series assessed by Cognitive Test for Severe Dementia2021

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H, Nagata Y, Ishimaru D, Ogawa Y, Fukuhara K, Nishikawa T
    • 雑誌名

      International Journal of Gelontology

      巻: inpress ページ: inpress

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of an Assessment Scale for Engagement in Activities for Patients with Moderate to Severe dementia.2020

    • 著者名/発表者名
      Tanaka H, Umeda R, Shoumura Y, Kurogi T, Nagata Y, Ishimaru D, Tabira T, Yoshimitsu K, Ishi R, Nishikawa T
    • 雑誌名

      Psychogeriatrics

      巻: inpress ページ: inpress

    • DOI

      10.1111/psyg.12678

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Development of Chinese Version of Quality of Life in Late-Stage Dementia and Cognitive test for Severe Dementia2020

    • 著者名/発表者名
      Leung S, Tanaka H, Kwok T
    • 雑誌名

      Dementia and Geriatic Cognitive Disorder Extra

      巻: 10(3) ページ: 172-181

    • DOI

      10.1159/000511703

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Impact of disturbed rest-activity rhythms on activities of daily living in moderate and severe dementia patients2020

    • 著者名/発表者名
      Ishimaru D, Tanaka H, Nagata Y, Fukuhara K, Ogawa Y, Takabatake S, Nishikawa T
    • 雑誌名

      Alzheimer Disease & Associated Disorders an International Journal

      巻: inpress ページ: inpress

    • DOI

      10.1097/WAD.0000000000000423

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effect pf Alzheimer’s disease severity on upper limb function.2020

    • 著者名/発表者名
      Tamaru Y, Tanaka H, Ueda M, Sumino H, Imaoka M, Matsugi A, Nishikawa T, Naito Y
    • 雑誌名

      Psychogeriatrics

      巻: 20 ページ: 802-804

    • DOI

      10.1111/psyg.12585

    • 査読あり
  • [学会発表] 重度認知症者における食事自立度に寄与する因子の検討2020

    • 著者名/発表者名
      田中寛之, 永田優馬, 石丸大貴, 西川 隆
    • 学会等名
      第35回日本老年精神医学学会
  • [学会発表] 認知機能低下・BPSDの抑制を実現しうる新規デジタ ルセラピューティクス開発に向けた予備的検討~VRの医療応用~2020

    • 著者名/発表者名
      岡本美緒, 仁木一順, 矢原恵美, 上野慶太, 田中寛之, 野村麻衣, 吉田啓太, 奥田赳視, 内藤 泰男, 石井良平, 上田幹子, 伊藤壽記
    • 学会等名
      第30回日本医療薬学会
  • [学会発表] 活動に対する取り組み方がBPSDの改善に及ぼ す影響―回想法の実践を通して―2020

    • 著者名/発表者名
      徳丸 愛 , 浅田 望 , 尾崎由唯, 田中寛之
    • 学会等名
      第54回日本作業療法学会
  • [学会発表] 日常生活上での半側無視の気づきに関する検討.2020

    • 著者名/発表者名
      中井俊輔, 大野泰輔, 磯野理, 田中寛之
    • 学会等名
      第54回日本作業療法学会
  • [学会発表] アクチグラフを用いた生活リズムの可視化 就労に対する適切な行動へとつながった双極性 障害の一症例2020

    • 著者名/発表者名
      小川泰弘, 田中寛之, 福原啓太, 石丸大貴, 西川 隆
    • 学会等名
      第54回日本作業療法学会
  • [図書] 認知障害ケースブック 重度別 重度別の認知症と作業療法-ADL/IADL能力の獲得に向けて2021

    • 著者名/発表者名
      池田学 村井千賀 田中寛之他
    • 総ページ数
      200
    • 出版者
      メジカルビュー社
  • [図書] 作業療法と目標設定2020

    • 著者名/発表者名
      斎藤佑樹, 田中寛之他
    • 総ページ数
      180
    • 出版者
      青海社
  • [備考] 田中寛之公式Webサイト

    • URL

      https://othiroyuki.com

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公開日: 2021-12-27  

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